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<布帳馬車>吉祥寺・名物店での《韓国語》
2009-02-04
<布帳馬車>吉祥寺・名物店での《韓国語》

 東京の吉祥寺に「いせや」という、有名な焼き鳥店がある。井の頭公園の入り口付近に2店舗。明るいうちから焼き鳥やモツ焼きの香ばしい匂いと煙りを漂わせている。焼き鳥は一串80円。その他のメニューも大衆料金で左党には有り難い存在だが、井の頭公園の散策の帰りなどに、真っ昼間からつい一杯やりたくなってしまう罪深い店でもある。久しぶりにその店に立ち寄り、焼酎のお湯割りとやはり名物のしゅうまいを注文して、店員が厨房に向かって発する、ある「韓国語」を懐かしく聞いた。「しゅうまい、ハナ」。

 ハナとはもちろん、「一つ(一人前)」という意味の韓国語だ。その一声だけなら、ソウルの飲食店で料理を注文したときと全く同じだ。ただし、そこの店員は一人を除いて全員が日本人で、ハナが一つという韓国語であることは全く知らず(最近は、私のようになぜ韓国語なのか質問する客がいて、韓国語であることを知るようになったが)、昔からそうだから言っているのだそうだ。確かに、私がその店に最初に行った20数年前もそうだった。かつてはあまり気にならなかったが、久しぶりだとその一声に、ちょっとからみたくなる。

 でも、ハナは昔から日本語にもなっているじゃないか。江戸っ子は「ハナっから」と意気がるし、ハナ肇(はじめ)という芸名もあった。三社祭りの大神輿の一番棒をハナ棒とも呼ぶ。あれこれ考えをめぐらすだけでも、いい酒のサカナになった。「ハナ、ハナ(一人前)」。ごちそう様。(Y)

(2009.2.4 民団新聞)

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