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<寄稿>地方参政権実現へ布石も 金一男
2009-01-01
川崎市外国人市民代表者会議
第5期部会長 金一男

 私が川崎市外国人市民会議に関わったのは、04年から06年までの第5期です。当時、第2部会の部会長として「定住外国人の地方参政権」の問題を2年間審議し、「05年提言」で「外国人市民の地方参政権に向けて国に働きかけるように努める」との提言をまとめました。この提言は翌年の春に市長に伝達されました。

 審議は部会長の一存では進めることはできませんが、私としては、特殊な歴史的経緯に基づく「在日の権利」としての側面よりは、EUを先例として東北アジアの地域統合による新秩序形成のためのバネとしての「地方参政権」の意義を強調しました。

 答申にまとめることには成功しましたが、あくまで「理想論」として受け止められたようです。

 外国人会議というものは、外国人の人権擁護や日本社会のいっそうの国際化という面で、存在することそのものに意味があります。

 また、取り組むべきテーマとしては、教育の充実や福祉の拡充など、「参政権」以外にたくさんあります。「参政権」はその一部に過ぎません。しかし、外国人会議が存在し、そこで外国人に関わるさまざまな問題が討議されることは、ひいては「地方参政権」支持の土壌を培うものと思います。

 「ニューカマーの委員」は、韓国人としては当時はおりませんでした。しかし、広い意味では、委員の大半がニューカマーでした。かれらにとっての一番の関心は、なんといっても「子育て」「教育」「福祉」「医療」など、目の前の生活に関わる問題でした。この面で、川崎市外国人市民代表者会議も神奈川外国人県民会議もそれなりの成果を上げてきているようです。川崎市外国人市民代表者会議の場合、市の条例で制定されたものであるだけに、構成や運営などにもそれなりの重みがありました。

 なお、「教育」の問題については、日本側は「現地への適応」(日本社会への適応)ということがどうしてもメインになっていて、在日外国人のアイデンティティーの問題もその範囲でしか扱われない傾向があります。また、多くの在日外国人は「同化」や「帰化」そのものにはあまり抵抗がなく、来日の動機からしても、より安定した地位を主に求めているようです。私たちと違って法的立場の弱い彼らから、「愛国心」などが強く表面に出てくることはあまりありません。表面上はドライというかビジネスライクです。

 この点で、「在日」の立場は特殊です。ですから、「母語」と「母国語」の違いといっても、あまりピンとこないようです。「外国人会議」というものを正しく理解するうえで、このことはまず知っておかねばならないでしょう。その上で、さまざまな「外国人会議」と在日が推進する「定住外国人の地方参政権」問題との接点を求めるべきだろうと思います。

(2009.1.1 民団新聞)
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