民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 21世紀委員会
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21世紀委員会
 

「第1回未来フォーラム」での各部会の中間報告内容

 

−IT部会−

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1.委員一覧


玄光男 部会長   足利工業大学経済情報工学科教授
安隆模 副部会長 日本サムスン
金武完 委 員    日本ルーセント・テクノロジー
夫龍淳 委 員    科学技術者協会会長

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2.会合開催概要

@第1回 2000年9月30日(8名参加)
A第2回 2000年10月28日(12名参加)
B第3回 2000年11月25日(13名参加)
C第4回 2000年12月16日(8名参加)
D第5回 2001年1月27日(7名参加)
E第6回 2001年2月17日(6名参加)
F第7回 2001年4月25日(11名参加)
G第8回 2001年6月27日(7名参加)
H第9回 2001年7月18日(7名参加)

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3.中間報告

1. はじめに

 近年,IT(注1)の進歩,いわゆるコンピュ−タとネットワークの融合(つまり,インターネット)によるコミュニケーションの進歩は,人類史上例のない新しい文明を構築していると言われる。すなわち,パソコンとインターネットによるコミュニケーションの技術進歩は,通信,生産,流通のすべてを加速させ,国境を越えたグローバルで,24時間いつでもアクセス(注2)可能なネットワーク時代をもたらした。

 ITの最新技術と利用状況を語るには,その最先端国である米国の現状を知る必要がある.

 米国経済誌バロンズによると,昨年六月までの一年間の株式公開で一億ドルを越える資産を保有する公開長者のランキングは,インターネット関連の企業が数多く占めていると言う。.このランキングのトップテンの内,八人がインターネット関連企業(プライスライン社,ドット.コム社,eベイ社,グローバス‐クロッシング社)だったと言う。特に,プライスライン社とドット.コム社は,インターネット上でオンライン競売を手掛ける企業で,一昨年四月に創業したばかりだが,昨年三月に公開し,僅か一年でアメリカンドリームを築いた。また,eベイ社も多数の億万長者を輩出している。

 このようにインターネットが普及し,それに接続するパソコンが一人一台(米国では世帯普及率が70%)へと広がり,また情報通信技術の急速な進展に伴い,企業経営のコンセプトも大きく変革している。

 さて,在日同胞としてIT時代に対応して行くには、第二次産業革命ともいわれる、このような急激な高度情報化社会の変化の中で、ITを活用した各個人の発想の転換は勿論、在日同胞社会もオープンで開かれたコニュニティー社会として新たな変化をしていかなければならない。

 21世紀を迎え、在日同胞社会は一世の時代から二世、三世の時代に移行しており、正にこの高度情報化の変化の過渡期に、在日二世及び三世が時代の中核的な位置に置かれている。

 在日同胞社会は元来閉鎖的な社会で、横の繋がりが希薄であり、この21世紀中に母国からも、この日本社会、更には世界からも孤立して、衰退、消滅すると予測する人もいる。

 しかし、このITを在日同胞社会で有益なコミュニケーションツールとして活用すれば、新たなコミュニティーが生まれ、このような欠点を補うことが可能である。今では個人でも全世界に何時でも、何処でも情報発信が可能であり、またデジタル技術を利用した情報の蓄積と共有化が可能であり、在日同胞一世の記録を次世代に伝えることも可能であり、またこれからの新しい世代の為にも、在日同胞とてアイデンティティーとプライドを持って生きる術を伝えることも可能である。

 やはりこの世に生を請けた限りは、在日同胞としての各個人のルーツやアイデンティティーが基となって、在日同胞社会としての各個人との連帯が生まれ、それがそれぞれの生き甲斐にも繋がるのではないかと思われる。また、このような変化の過渡期の時代で、新たな同胞社会のコミュニティー作りを行うのは、在日二世、三世の役割ではないかと思われる。

 今回IT部会では、最近のIT化による高度情報化社会の動向を紹介し、また高度情報化時代における在日同胞社会ためのIT化及び在日同胞社会で中心的な位置にある民団組織の情報化の方向性に関し報告致します。

・(注1)IT; Information Technology(情報通信技術)
・(注2)アクセス;通信事業者の通信回線ネットワークとユーザーが情報の交換をすること。

2.在日同胞社会のためのIT技術

 近代以降在日コリアンは異国において、歴史の荒波を乗り越え、また数多くのハンディとハードルを飛び越えながら、この日本の社会の多様なジャンルにおいてパワフル、またはエネルギッシュに、そしてユニークに活躍している。在日同胞は日本社会にとけ込みながら、なお且つ自己のアイデンティティーを保ち、自らの持ち味を生かす、新しい時代を共に築こうと頑張ってきた。

 しかし、情報通信時代と言われる21世紀は図.1のように、日本社会の情報化、国際化はさらに進み 、個人の生活にもビジネス界でも大きい変化が起っている。個人の生活にインターネットは必要不可欠な道具になりつつあり、在日同胞もこのようなパラダイム(注3)の変化に対応しなければならない時代になっている。
 ・(注3)パラダイム;ある時代で支配的な見解、思考方式 (Paradigm)

 民団は在日同胞の暮らしを支援するために存在しているボランティア団体と言える。来る21世紀情報化社会に暮らしている在日同胞に民団が新しいビションを提示しなければならない。在日同胞社会といっても構成員は様々であり、多様な利害関係を持っている。図2に示しているように民団は真中に立って発生する諸問題に対処しなければならない。益々増加している情報量、多様化する同胞社会に対応するためには、まず民団のパラダイムを変えなければならないし、同胞社会に新しいビジョンを提示して安心させなければならない。

 本章では、来る21世紀情報化社会にわれわれ在日同胞はどのように対処すべきか?同胞の暮らしを支援している民団は同胞から何を求められているのか?民団はどのように対処すべきか?IT技術というキーワードをもって幾つかのカテゴリに分けて提案する。表1に示しているように民団本部内の各種情報、データベースのDigital化整備及び共有化、在日同胞社会でリーダーシップを発揮できる有益な情報の発信基地化、ITを活用した民団の独自性を発揮した、自立化への変身模索を中心に詳細な議論を行う。

□ 民団本部内の各種情報、データベースのDigital化整備及び共有化
  ・在日同胞の一般団員情報、データベースの整備、更新
  ・民団組織及び関連団体の各部局情報データの整備
   (民団、在日同胞関連機関の名簿等)
  ・民団内の各種統計、調査資料のデータベース化
  ・民団本部内のIT化による業務の効率化推進
   (情報の共有化による重複業務の解消等)
  ・民団地方本部・支部への情報化支援
   (情報インフラ整備支援、及び情報リテラシー啓蒙、教育支援)

□ 在日同胞社会でリーダーシップを発揮できる有益な情報の発信基地化
   ・在日同胞へのサービス精神の向上
   (一般団員が共通する相談等、スピーディーな対応)
  ・有益な情報提供による同胞社会への貢献
  ・同胞社会の有名人士、次世代人材の発掘等により人的交流、コミュニティーの拡大
  ・韓日間の掛け橋としての情報コミュニティーの構築

□ ITを活用した民団の独自性を発揮した、自立化への変身模索
  ・民団の知的資産、ノウハウ等の各種情報資源を活用して、自立化への変身
   (韓日間の情報コンテンツ事業、プロバイダー事業等)

 まず、民団中央本部の情報化について2.1で述べる。次に同胞及び中央本部の職員向けの情報リテラシ(注4)教育方案について2.2で述べる。最後に、2.3で中央本部の今後ビジネスチャンスを模索することで、同胞社会への発信するコンテンツビジネス(注5)及びプロバイダ(注6)事業についてその可能性と方向性を簡単に探る。

 ・(注4)リテラシ;読み書きの能力。識別。転じて、ある分野に関する知識・能力。
 ・(注5)コンテンツビジネス;情報の内容、中身(特に静止画や動画、音声等の素材)の提供によるビジネス。
 ・(注6)プロバイダ;インターネットへの接続サービス等を提供する電気通信事業者。

@ 民団中央本部の情報化

 IT分科会の民団の情報化水準に関する調査で、民団の業務自動化、情報インフラ(注7)の整備、職員の知識水準等、非常に遅れていることが分かった。この問題を解決するためには、民団の業務の効率という側面だけではなく、益々進歩している社会の情報化に対応するためには逸早く対応しなければならない。また、同胞の暮らしを支援している民団の立場としても情報化への対応は必要不可欠な問題でもある。
ここでは、民団の情報インフラの整備、運用の問題を中心に詳細な提案を行う。

 ・(注7)情報インフラ;情報通信化のための基幹ハードウェア及びソフトウェア等の通信環境及び設備 (Infrastructure)

1) 民団中央本部の情報インフラの整備

□ 民団中央本部の情報化のためのインフラの整備
 1.中央本部情報化(OA)のための事務室環境の整備
 ・事務室OA化のためのLAYOUTの変更及び電源、LAN構築等
 ・基本インフラ(ハードウェア;パソコン、プリンター、サーバー、ネットワーク等)整備のための見積及び業者の選定

 2.情報化推進の専任部局、専門人材の選定確保(本部内情報システム構築)
 ・専門人材は本部内で比較的IT知識に詳しい人材を選任するか、又は外部人材専門会社等の派遣により人材を確保する。
 ・しかし、中央本部内で情報システムを独自に支援できる部局及び人材の確保が必要(情報システム専任者は、ハードウェア、ソフトウァアの選定・構築及び保守は勿論、民団内のシステム運用、保安、教育支援等を行い、更に独自ソフト開発等ができる専門人材。)

□ 予算、財源の中央本部内手続きにより事前確保
 1.情報化整備のためには、初期投資が必要であり、限られた財源を効果的に使用するため、中期的な予算の事前確保が必要。(購入資産等はリース契約採用も検討。)

 民団中央本部の情報インフラの整備はハード、ソフト、運用、予算の確保など様々な問題がある。この問題に対処するためには新しい組織、意思決定の効率化などが重要なポイントである。つまり、情報インフラを整備する前に民団全体をあげてバックアップできる態勢を作らなければならない。
 
 民団の情報インフラの整備は民団の現実的な状況を考慮して3段階に分けて導入する。情報インフラの整備は予算の確保も問題であるが、中央本部の運用能力も考慮すべきである。

 まず、第1段階では、中央本部のネットワークの構築である。ネットワークの構築は、導入するレベルによって効果は様々であるが、一番のメリットはやはり各局で扱っているデータの共有が挙げられる。情報の共有によって、保有する資源(PC、プリンターなど)を有効に使えるし、各種データの管理も効率よく管理できる。民団オフィスのネットワーク化は、現在使われているPCなどをそのまま活かしてLANで結ぶのが現実的に一番効率のよい方法ではないかと思われる。初期投資を極力抑え、中央本部のIT専門人力を育てながら2段階、3段階に進める方法が有効であると考えられる。

 第2段階では、2001年4月〜2002年3月までの1年間で全団員のデータベースを構築する。これは各支部との連携で進められなければならないが、推進は中央本部の次元でやるべきである。このデータベースの構築によって得られる効果は非常に大きい。

 例えば、このデータベースを基に、団員の情報管理が標準化できる。標準化することによって、正確な情報が管理できる。また、データの追加、変更も簡単に出来るし、このデータベースから得られる各種統計を有効に使うことも出来る。誕生日を迎えた同胞へのカード発送など在日同胞への多様なサービスが出来る。

 このデータベースの構築はオラクル製のパーケージを導入して構築することを例にすると費用は人件費などを含めて約1千万円程度と予想される。データベースの構築は、民団が扱っているデータの重要性でセキュリティ(注8)問題を考えなければならない。参入する業者の選定を慎重に選ばなければならない。考えられるのは、同胞関係の会社かあるいはIT部会で直接関わって構築することが望ましい。

・(注8)セキュリティ;情報セキュリティ、情報通信を利用する上での保安及び安全性

 第3段階では2003年まで全民団関連施設をネットワークで繋げる。全民団関連施設のネットワーク構築は、セキュリティに対応しやすい専用線などで結ぶべきだと考えられる。導入費用は専用線などの使用コストの激しい変化で推測し難いが、2年後に導入すれば非常に安価に構築でき、さらに運用コストも低コストで出来ると考えられる。

導入スケジュール及び項目

 本年度施行しなければならない第1段階の中央本部内のLANの構築及び第2段階の中央本部内のデータベース化推進について、もう少し詳細に述べる。

◆第1段階;(中央本部内のLANの構築)

目 標
 民団中央オフィス(6F)にLANを構築する。全てのPCがインターネットに常時接続し、電子メールが利用できるように環境を整備する。あわせてファイルやプリンターの共有ができる。

導入環境
 民団中央本部は全職員にそれぞれ1台のPCが与えられていたが、社内LANの整備は遅れている。インターネットの急速な普及により、各支部など外部への連絡にE-Mailを利用する機会が増え、オフィス内のインターネット化と業務データの共有、プリンターなどの資源を効率的に活用するシステム構築が急務となっている。一部のPCはインターネットに接続されているが、ローカルで行われている。

インターネットへの接続に関して
インターネットへの接続とオフィスのネットワークの構築を行うためにADSL(高速通信網)を整備する。インターネットへの接続を仲介するプロバイダは外の業者に外注する。本来、インターネットの常時接続には電子メールを利用するためのPOP3サーバやSMTPサーバ、DNSサーバなど必要となるが、専門の知識も必要であり、専任のネットワーク管理者が必要になる。民団中央本部自体で構築するにはコストがかかり過ぎると判断される。外注すればいろんな問題が発生しても比較的容易に対処できる。

社内LANの設備に関して
 インターネットへの接続ができれば、WWWの閲覧やFTP、メールは各マシンから使用可能となる。オフィス内のネットワークを整え、ファイルやドキュメントを共有するファイルサーバのプラットホームとして「ウィンドウ2000サーバ」を選択する。

 サーバマシンは全職員の共有するデータを蓄積し、24時間体制で稼動することが少なくない。そのため、マシン選定には信頼の出来るハードウエアスペックを構成する必要があるが、現在保有マシンを想定して設置する。プリンターはWindows OS環境用として非Poatscriptレーザプリンタを設定する。

 レイアウトや配線の容易度から、ネットワーク接続のケーブルは10Base-Tを選択する。現在この10Base-Tが主流でありハードウエア・ソフトウエアともに入手が容易である。
 100Mbpsという高品質なケーブルも選択筋としてはあったが、コストが見合わないと判断されるし、当面10Mbpsで運営し拡張の必要が出た場合に移行を検討する。

運用に関して
 民団中央本部ではオフィス内のインターネット化と業務データの共有、プリンターなどの資源を効率的に活用を主な目的としたため、上記のような構成を選択したが、次のステップとして自社サーバからのホームページ、メール管理が考えられる。 現時点でホームページ発信、メール管理の必要性はないが、仮にホームページを運営する場合は、独自ドメイン名の取得を検討する必要がある。民団中央本部でWebサーバを運用するには費用、技術ともにかなりの負担となるかもしれない。

 現時点で導入するLANの管理は職員の中で選ばれた2-3人の体制で十分対応できると考えられる。

◆第2段階;(中央本部内のデータベース化推進)


 目 標
民団中央、各支部等で管理している全団員名簿、業務に関連する各種データ等をデータベース化する。

 構築環境
現在、全団員名簿等はそれぞれ各県、支部などで分散して管理している。名簿管理の形態も異なるし、まだほとんどが 
紙ベースで管理しているのが現状である。各種名簿以外業務に関連するデータの扱いもまだ標準化されていない。

 構築プロセスについて
 第2段階の実施は次のようなプロセスを持って実施するのが望ましい。
  ・中期計画(案)の樹立及び承認
  ・ハードウェア(パソコン、プリンター、 サーバー等)の業者見積、選定
  ・採用ソフトウェアの選定(Word、Excel、データベース等)及び決定
  ・中央本部内の各種データベース化実施(全団員名簿等)
  ・中央本部役員・職員の情報化運用教育実施実施期間は約3ヶ月程必要であろう。

 業者の選定は  民団で扱っている各種名簿、データの特殊性から見てもセキュリティが非常に重要である。一つの方法は、IT部会と民団中央本部サイドでワーキンググループを構成して実施することも考えられる。

運用に関して
 民団で扱っている各種名簿、データの特殊性から見てもセキュリティが非常に重要である。従って、民団中央本部で専任職員を置いて直接管理することが望ましい。現時点で考えられる管理は職員の中で選ばれた2-3人の体制で十分対応できると考えられる。または、派遣職員を1人入れることも一つの方法であろう。

A同胞及び中央本部の職員向けの情報リテラシ教育
個人の情報活動には,問題の発見,情報の収集,論理的な分析や考察,情報の創造,討論,意思決定,報告書の作成,発表がある。このような仕事を効果的かつ効率的に行うための手段としてコンピュータやコミュニケーションシステムなどのツールを学ぶことである。

 情報リテラシとは、一般に情報活用能力とか、情報の選択と活用の能力と認識されているようである。

 しかし、この情報リテラシに対する認識については現状に於いて大きな差が生じているように思われる。それは情報化が即座に近年爆発的な普及をしているパーソナルコンピュータ(以下パソコン)の利用と考えることであり、即ち情報リテラシ教育=パソコン教育といった図式として捉えることで、これは正確な認識では無い。

 確かに近年に於ける情報化にパソコンの爆発的な普及は重要なファクターになっていることは否めない。しかし、情報化というのは、様々な媒介を通じて情報をやりとりすることであり、デジタル化など高度な通信技術の裏打ちによるもので、単にパソコンそれ自体によって情報化を引き起こすものではないという点に留意すべきである。つまり、パソコンもそれだけでなくネットワーク化が必要なことや、従来のメディアをも含んだマルチメディアの利用にも充分目を向けることである。従って、情報リテラシ教育も単なるパソコンを導入することのみによって達成されるのではなく、それをも含んだ幅広い情報という概念で考える必要がある。

 現実的に、同胞及び中央本部の職員向けの情報リテラシ教育は、上で述べたような全ての目的を達成することは出来ない。ここでは、それぞれIT社会に対応するための基礎となる知識を学ばせるというレベルを考えている。

 「何をどう教えるのか」については、まず中央本部の職員向けの情報リテラシ教育として、高度情報化社会に対して適応できる能力、つまり業務に必要な知識、技術を身につけることである。同胞には、図.3で表されているようにまだ40代以上の同胞が大半を占めていることが分かる。若い世代は基本的な知識、ツールを身に付けている人が多いと考えられる。IT部会で設定しているレベルはむしろ40代以上の同胞に効果があると思われる。楽しく暮らせる一つの手段として位置付ける。

 地域の選定は東京周辺と大阪周辺に居住している同胞が圧倒的に多いため、まずこの地域の同胞を対象に始める。教育場所は基本的に民団施設を念頭に置く。機材は継続を考えると韓国の企業あるいは同胞が経営している企業に協力して貰う方法とリースで整備する方法が考えられる。参加費は基本的に無料であるが、リースで機材を整備する場合には3000円程度で良いと思われる。

B民団中央本部のプロバイダ関連ビジネスの検討
 情報化、インターネット社会のなかで重要な役割を果たすのが、インターネットプロトコルをベースとした情報流通に関連する様々なサービスを提供しているインターネットプロバイダーである。インターネットプロバイダーは、利用者の多様なニーズに対応した快適で安全なインターネット環境を提供し、よりよいインターネット社会に進展させていくという重要な社会的使命を持っており、同時にインターネット社会が生み出した新しいビジネス業者でもある。

 21 世紀の高度情報通信ネットワーク社会の到来につれ、同胞社会を支援している民団に求められるのはビジネス的な側面ではなく、図.4のような同胞社会への支援をインターネット上で実現するための基盤作りであると思われる。むしろプロバイダで儲かることより、プロバイダを通じてバーチャル同胞社会を作る手段でよいと思われる。

 この過程の中でビジネスチャンスは豊富にあると思われる。例えば、民団が持っている様々なコンテンツを有料で提供するビジネスが考えられる。民団は長い間蓄積してきた様々なコンテンツを持っている同時に、コンテンツの特別性でも在日団体の中では唯一と言っても過言ではない。このようなコンテンツは研究分野、ビジネス分野など大きなニーズがあると考えられる。また、在日同胞のデータベースが構築できれば同胞向けの金融関連のビジネスも考えられる。各種情報の提供、ケーブル放送局の運営は在日同胞の暮らしを支援しながらビジネスにも繋げられる分野であると考えられる。在日同胞、本

3.おわりに

 在日同胞21世紀委員会が発足し、このIT部会も数次に渡り議論して参りましたが、今回の報告では、今後の在日同胞社会のIT化と民団組織の情報化のため、IT部会としての方向性に関しては、ほぼ議論されております。その方向性は、

第一に民団中央本部及び地方本部等のIT化、情報化及びネットワーク化の提言

第二に民団及び同胞社会に対する情報リテラシ関連教育啓蒙普及への提言

第三にこのIT時代で同胞社会における民団の役割及び自立化等の提言等に関しても今後議論して提言できればと思います。

今回の報告では、まず、今年度の最優先推進課題として、民団組織の中 核であり、在日同胞社会の情報発信基地として重要な役割を担う、民団中央本部内の情報化のためにのインフラの整備であります。ITは飽くまで日常の業務を行う上でのツールとして、民団の全職員が誰でも、何時でも使用ができる環境を整備することにより、業務の効率化と情報の共有化のメリットを発揮します。そのため必要最低限の初期投資が必要であり、今年度の予算確保が望まれます。

 最近の一般企業や団体等でも、一人一台で各自パソコンが設置されており、日常の業務はパソコンが無ければ何もできない程、重要なITツールになっています。また企業内でもイントラネット(注9)で、更に企業間はe-Mail等で日常の情報交換を行なっているのが現状であり、まず民団中央本部が率先してIT化を行い、将来的には同胞社会の中核的な接点の役割としての情報発信基地として変身しなければなりません。そのため、民団中央本部の全職員がITツールのスキルアップを図り、更に民団組織のネットワーク構築を推進するのため、次の課題としては、民団本部内に情報システム関連の専任部署設置と専門人材の確保及び育成であります。

 在日同胞社会で民団が情報発信基地としてリードするためには、民団組織内の情報インフラの整備と民団独自の有益な情報資源及びその情報を発信できる頭脳と人材が必要であり、更にそのような情報インフラを独自に運営できる能力も必要です。このような課題が将来実現すれば、民団の在日同胞社会での役割と存在価値が高められると思います。

 今後IT部会では、民団中央本部の情報化のために、より具体的な提言を行い、また他の部会と関連する部分もあると思われるので、他の部会とも情報の交換を行い、IT部会としての提言及び支援を行っていく予定です。

・(注9)イントラネット;ある企業や団体内部に限られた情報通信ネットワーク。また他の企業や団体間とに限られた情報通信ネットワークをエクストラネットといい、さらに全世界を対象にグローバルに情報通信するネットワークをインターネットという。

 

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