ウトロ平和祈念館見学ツアーを開催

  • 平和祈念館(左)と移築された飯場(右)
  • 田川館長(右)の講話(左は河隆實団長)
  • 展示コーナー
  • フィールドワークで訪れた放火被害現場
  • 質疑応答
  • 記念写真

 民団愛知県本部と愛知県韓国人人権擁護委員会(鄭友宏委員長)主催の「ウトロ平和祈念館見学ツアー」が12月16日(金)に行われ、民団愛知の本部・支部役職員と人権擁護委員ら34名が参加しました。

 昨年夏、在日韓国・朝鮮人関連施設を狙った連続放火事件が発生し、民団愛知県本部と名古屋韓国学校、そして京都府宇治市ウトロ地区も放火によるヘイトクライムの被害に遭いました。一連の犯行は、ネット上での在日韓国・朝鮮人に対するヘイトスピーチや「在日特権」などのデマに影響された日本人の若者(犯行当時22歳)による犯行で、今年8月、京都地裁で懲役4年の判決が下されました。
 この事件をきっかけに、京都府宇治市ウトロ地区にウトロ平和祈念館が今春開館したことを知った人権擁護委員からの提案で、今回の見学ツアーが実現しました。

 ウトロ地区は戦時中、国策事業の京都飛行場建設のため朝鮮人労働者が集められ、終戦後もその子孫の在日韓国・朝鮮人らが暮らしてきました。2000年、住民は地権者に土地の明け渡しを求められた裁判で敗訴しますが、その後、日韓の支援で土地の一部を買い取り、その土地に宇治市の整備する公営住宅が来春完成し、ウトロに住み続けることを希望する住民すべてが入居するとのことです。

 ウトロ平和祈念館で参加者らは田川明子館長から、ウトロや支援活動について多くのお話を聞くことができました。展示コーナーやフィールドワークではボランティアスタッフによる詳しい解説もしていただき、ウトロの歴史や同胞の暮らし、放火の被害現場などを詳しく学ぶことができました。
 展示や地域の暮らしぶりを見学した参加者からは「当時は日本中の同胞集住地域がウトロと同じような暮らしをしていた。思い出すと何だか懐かしい気もする。」と感想を述べていました。

 質疑応答で参加者からウトロの支援活動について質問されると、田川館長は「日本人の行ったことで在日韓国・朝鮮人が苦労をすることになったのだから、何とか日本人の力で解決したかった」、「日本人が立ち上がって手を携えることで、ウトロでは北も南もなく、一緒になって取り組めたんですよ」と思いを語っていただきました。

 参加者らはバスの車内でも、ヘイトスピーチやヘイトクライムについての学習を行い、充実した内容となりました。

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