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<新年辞>大統合で堅固な求心体へ…中央団長 呉公太
多様化する価値観見据え
新時代の民団創ろう


 丁酉の新年を迎え、内外同胞の多幸を祈り、謹んで新春のごあいさつを申し上げます。

 昨年、民団は創団70周年を無事に終えることができました。草創期から今日まで幾多の困難を乗り越えて、「在日同胞の故郷」とも言える民団が綿々と継承されてきたのは、命がけで守って来られた先輩諸氏と全国の団員の皆さん、そして支援をし続けてくれた祖国大韓民国、さらには韓日友好増進と在日韓国人との共生推進に尽力された日本の人々のおかげです。この場を借りて、改めて深く感謝を申し上げます。

次世代事業推進

 創団70周年事業として、オリニジャンボリーをはじめ、中学生・高校生・大学生と青年を対象にした「次世代1500人母国訪問」は、多くの方のご支援を受けて、成功裏に収めることができました。

 若い世代が母国の現状を肌で感じ、安保意識を植えつける契機になっただけでなく、同世代の仲間と連帯することで、民族主体性を深化させることができました。

 また、民団や在日の存在自体を知らない本国の世代が増えている昨今の状況を重く受け止め、創団70年の足跡を写真で伝える「本国巡回写真展」もソウルをはじめ全国主要8都市と大学などで開催しました。その結果、7万人余の内外同胞が観覧し、民団の歴史と活動を評価をしてくださいました。

 このほか、韓国の放送局が在日同胞の特番ドキュメンタリーを放映したのをはじめ、大手紙が民団特集企画を組んでくれました。

 民団はそれらの実績に甘んじることなく、韓国戦争への在日学徒義勇軍の参戦や、日本にある韓国大使館や総領事館は在日同胞が寄贈した事実など、本国に対する在日同胞の貢献を歴史教科書に掲載するよう積極的に当局に働きかけているところです。

 創団70周年のフィナーレを飾る記念式典には、韓日両国の国会議員をはじめ内外の来賓や民団幹部ら1000人を超える方々からお祝いとともに、次の創立100年に希望を託した数々のエールをいただきました。重ねて感謝申し上げます。

人権擁護を継続

 親愛なる団員と在日同胞の皆さん。

 北韓の暴走が止まりません。昨年9月に5回目の核実験を強行したのをはじめ、日本の排他的経済水域に向けた弾道ミサイル発射や、潜水艦発射弾道ミサイル実験など、一連の軍事挑発は韓半島での多大な環境破壊のみならず世界の平和と安定を脅かしました。

 これ以上の暴走を抑止するため、韓日両国は昨年11月に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結し、即日発効させました。両国が連携して、安保対策を講じつつあるという事実は、韓半島の安定にとって非常に心強いものです。

 私たち在日同胞は今後もわが国に対して有形無形の揺さぶりをかける北韓の動きを警戒するとともに、北韓の指示のもと「嫌韓」を助長させる朝総連及び従北勢力の悪らつな行働を粉砕しなければなりません。

 一方、韓国では政局が流動的です。朴槿恵大統領弾劾訴追案が国会を通過し、大統領選挙実施の時期が不透明になりました。この事態に私たち在日同胞も胸を痛めてきましたが、法治国家として法に則り、厳粛に収拾策が講じられるものと確信しています。

 わが国はこれまでも幾多の試練を乗り越えてきました。今回の国難も必ず克服し、再出発の契機にすることでしょう。常に本国と歩みをともにしてきたと自負する民団は、今後も決して揺るぐことなく、粛々と在日同胞の権益擁護と本国の発展に尽くしていきます。

韓日親善さらに

 親愛なる団員と在日同胞の皆さん。

 今年は韓日友好親善のシンボルである朝鮮通信使のユネスコ世界記憶遺産登録が濃厚です。両国の民間団体が初めて共同申請した事業が私たちの念願通り実を結べば、韓日友好関係の改善に大きく寄与することは間違いありません。

 日本全国で草の根の韓日親善活動に携わっている日韓親善協会と連携しながら、民団は今後とも韓日両国の協力・発展を促進する懸け橋としての役割を果たす所存です。

 その一方で、在日同胞の人権を侵害し、韓日友好を阻害してきたヘイトスピーチ(差別扇動表現)の根絶については、民団が進めてきた地方議会への陳情活動や、国会・県会・市会議員の方々及び市民運動のご尽力によって、「対策法」が制定、施行されました。

 民団の働きかけによって人権を守る法律が制定された事実に対して、関係者の皆さんに改めて感謝を申し上げる次第です。

 しかし、「対策法」に罰則規定がないことや、選挙運動に名を借りてヘイトスピーチを仕掛ける者が散見される新たな事態が生じています。

 今年はヘイトスピーチの温床と言われるインターネット上の人権侵害から同胞を守る人権救済申立て行動をはじめ、地方条例の制定や「対策法」がヘイト根絶の決定打になるよう精度を高める法改正を含めた闘いを本格的に進めていきます。

平昌後援へ本腰

 親愛なる団員と在日同胞の皆さん。

 2018平昌冬季五輪が近づいてきました。政局の混乱を一日も早く収拾させ、国家の威信をかけて必ず成功させなければなりません。そのためには国民の一致団結が不可欠であり、私たち在日同胞の協力も必要です。過去に札幌や長野での冬季五輪支援に積極参与、成功させたノウハウを生かし、今回も「在日韓国人後援会」を立ち上げ、88ソウル五輪で世界に見せた民族の底力を再び内外に示しましょう。

 在日同胞社会の人口動態が大きく変化しています。特別永住者が減少傾向にある一方で、日本国籍や韓日ダブルの重国籍を持つ同胞子弟が増加しています。新規定住者や帰化同胞も含めた在日同胞社会の大統合を推進し、求心体としての民団組織の再生を図らなければなりません。価値観が多様化してきた在日同胞社会のニーズに合わせた民団づくりが焦眉の課題です。

 創団70周年未来創造メッセージと未来創造フォーラムの提言を受け、私は多様な属性と価値観を有するすべての在日同胞を包含するため、地方本部レベルにおいても構成原理を韓国籍のみに依拠することなく、民族的出自を基本としたより開放的なものに変えていく所存です。

 結びにあたり、次世代育成に継続注力し、円滑な世代交代と本国との紐帯強化に努めると同時に、韓日間で締結した「慰安婦問題」や「GSOMIA」合意がきちんと履行され、韓日関係がより一層発展することを祈願いたします。

 本年が、すべての団員の皆さんと在日同胞にとりまして、幸多く実りある年になりますよう祈念し、私の新年のごあいさつといたします。

(2017.1.1 民団新聞)
 
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