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多文化共生の灯守れ…都立小山台高定時制存続へ集会
 多文化共生や人権をテーマとした授業が盛りだくさんで、文部科学省「人権教育研究指定校」にもなっている都立小山台高校定時制課程の存続を求める集会が2月26日、品川区の小山台会館で開かれた。卒業生、教職員、校外の学習支援者が同校のユニークな教育内容をアピールした。

 廃課程は東京都教育委員会が2016年2月12日に決定した。対象となったのは小山台高校(品川区)、立川高校(立川市)、雪谷高校(大田区)、江北高校(足立区)の4校に設置されている夜間定時制課程。表向きの理由は、勤労青少年の生徒数の減少と全日制・定時制併置校の利用上の時間的制約。廃止後は昼夜間の3部制定時制高校やチャレンジスクールの規模を拡大し、夜間の時間帯における学習ニーズに対応するとしている。

 なぜこの4校が廃止になるのか。情報公開請求しても明らかになっていない。4校とも進学校として知られているだけに、同会では「昼間部の充実ではないか」と推測している。

 4校とも外国につながる生徒の割合が比較的高いのが特徴。特に小山台は09年ごろから「外国につながる生徒」が増加。こうした生徒のニーズに合わせ、東京外国語大学院の院生や退職教職員による手厚い個別学習(日本語取り出し授業)や放課後の補習が始まった。

 グローバル化に対応し、多様性を大切にする市民を育てようと、学校設定教科としてはユニークな「市民科(共に生きる、社会参加)」を設けている。また、「多文化理解(世界と出会う)」では「はじめての韓国語」や「はじめての中国語」を選択できるようにしている。

 小山台高校に在籍する生徒で「外国につながる生徒」の割合は現在、全校で35%。国籍別では15カ国にのぼる。これは都立で小山台だけ。1年生に限っては実に7割近い。

 関東弁護士連合会(藤田善六理事長)は16年2月、「受け皿となるチャレンジスクールや昼夜間定時制高校が『外国につながる生徒』たちのための十分な代替課程を設置しないかぎり、廃校に反対する」との声明を出した。

脱北者が語る充実した授業

 高安京子さんは北送同胞の孫にあたる。19歳の時、日本に脱北してきた。夜間中学を経て小山台高校定時制課程に入学し、11年に卒業した。集会で在学時代の思い出を語った。

 入学時の日本語会話は「こんにちわ」と「ありがとうございます」ぐらい。せいぜい、いくつか知っている単語を並べるくらいだった。しかし、日本語の個別授業を受けてからは指導の教員も驚くほど急速に上達した。

 学校では生徒会長を務めた。また、在籍していた外国籍の生徒3人に呼びかけて「国際交流班」という部活も創部。毎週木曜日の活動日には日本人生徒との相互理解に努めた。部員は自らが卒業するころには50人にまで増やした。

 高校1年生のとき、テレビに映し出されるネパールの子どもたちの窮状を見た。北韓の奥深い山で育ち、電気がなく、水をくみに遠くまで足を運ばなければならなかった自らの子ども時代と重なり、「なんとかしなければ」と支援を申し出た。

 聞けば、15万円もあれば子どもたち20〜30人が学べる学校1棟が建つという。高安さんはその場で50万円の寄付を約束。昼間のアルバイトで稼いだお金をコツコツ送金。寄付金は最終的に200万円に達した。

 親のいない子どもたちへの支援は、高安さんの子どものころからの願いだったという。日本に在住してすでに13年。持ち家を手に入れるという夢もかなえ、あとは地球を1周する旅行を残すだけ。

 高安さんは「在学中はとても充実した学校生活だった。こんな恵まれた学校は少ない。廃校と聞いて本当にショック。ぜひ残してほしい」と語った。

(2017.3.8 民団新聞)
 
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