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「韓国併合」授業 韓・日双方向の視点から(04.12.1)
日本の植民地統治をテーマにしたグループ討論を見守る民団関係者(右端)
秋田・大潟中学校
民団秋田本部が協力

抗日闘争資料も活用…さらに深まった歴史認識

 【秋田】韓国併合の単元を学習するにあたって韓国と日本の双方の視点から歴史事実に迫る研究授業が11月、秋田県内の中学校で行われた。教材づくりにあたっては、民団秋田県本部が韓国・群山市内の臨陂中学から国定教科書と小作争議に関する資料を取り寄せて翻訳するなど協力した。関係者からは「歴史を客観的に把握するうえで、画期的な授業」と評価する声が聞かれた。

 授業が行われたのは男鹿半島に近い大潟村立大潟中学校2年生の社会科学習。担当の金(こん)英夫教諭が韓国併合の単元を取り上げるにあたって総時数4時間をとり、三・一独立運動とからめて指導した。

 「韓国併合」で安重根義士、「三・一独立運動」では柳寛順烈士の思想と行動を学び、歴史認識を深めた。資料となるプリントは韓国の国定教科書などをもとに作成した。

 締めくくりの授業となった11月17日には民団秋田県本部の崔燕佑事務局長と朴金芳国際部長をゲスト・ティーチャーとして招いた。

 この日の授業で金教諭は、生徒のいろいろな考え方や主張を認め、多方面から歴史事実に迫るよう指導した。韓国併合の是非を判断するにあたっては「日本にもやむを得ない事情があった」とする生徒たちの意見も尊重し、そうでないとする生徒たちとの間でグループ討論を試みたりもした。

 「物事をいろんな角度から考えることで、歴史認識を深められる」というのが金教諭の一貫した考えかた。

 「日本史の枠組みだけで韓国を見たら生徒は『かわいそうな韓国人』『弱い韓国』という歴史認識からなかなか抜け出せない。それだけは避けたかった」と金教諭は話している。

 授業の最後に短冊に書き入れて提出した生徒たちの感想を読んだ金教諭は「授業を通して生徒の考え方が深まっている」と満足そうだった。一つの考え方からしかとらえず一面的な歴史観を押しつける「つくる会」教科書とは対照的ないきかたといえそうだ。

 同中学は3年前から群山市にある臨陂中学との間で教職員・生徒の交流を続けている。金教諭は今夏も群山市を訪れ、この地が日本の植民地統治時代に地主だった二葉社農場の収奪に抗して闘った小作争議の中心地だったことを示す「沃溝農民抗争記念碑」にふれ、「大きなショックを受けた」。このときから授業で取り上げたいと念願してきたという。

 授業を見学していた教育委員会関係者は「日本人の一方的な立場からではなく、抗日運動の視点から授業を進めたのは画期的なこと」と感想をもらしていた。

 民団秋田県本部の崔事務局長も授業中、あいさつに立ち「臨陂中学との交流を深めていってほしい」と強調した。

(2004.12.1 民団新聞)
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