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放浪…苦学、篆刻家・高石峯氏…没後24年、古河(茨城)で企画展
展示されている高石峯氏の篆刻作品の一部
 篆刻家として日本で優れた才能を開花させた韓国人、高石峯氏(1906〜93年)の1943〜89年制作の作品を紹介する企画展「高石峯篆刻展」が12月10月まで、茨城・古河市の篆刻美術館と古河街角美術館(ともに植竹正美館長)で開かれている。高氏の84歳までの篆刻や臨書、創作書作品をはじめ、高氏の刻印を落款印などに用いた物故書家などの作品160点以上が展示されている。

19歳で渡日し才能開花

 高氏は1906年、韓国忠清南道禮山に生まれた。19歳で渡日し、篆刻を志して苦学をはじめ、全国を放浪しながら多くの作品を制作し、生活の糧としていた。

 32年、「現代書道の父」といわれる比田井天来氏(1872〜1939年)に刻印を認められ、以後3年間、代々木書学院に寄寓して篆刻に励んだ。このとき、比田井氏は還暦以後の自らの作品には高氏の刻印を用いることを約束したという。

 代々木書学院では書家の桑原翠邦氏、上田桑鳩氏、金子翠亭氏、手島右卿氏とも交流し、終生親交を深めていった。高氏は、書と篆書は比田井氏に学び、篆刻については、当時日本で人気のあった、河井?廬氏に入門したという。

 38年には奈良県橿原神宮の紀元2600年記念寶印陰陽大印二顆他を制作している。

 39年1月、比田井氏が68歳で死去。高氏は44年、39歳で帰国した。帰国してから高氏は日本の関係者と消息をたっていたために「高先生は亡くなっているのではという風説まで流れた」と、古河歴史博物館の臼井公宏館長は話す。

 その後、高氏が健在であるということが日本にも伝わった。

 高氏は66年11月、手島右卿氏ら書学院関係者の招聘により22年ぶりに渡日、16カ月滞在し、多数の印を刻した。76年に日韓文化交流協会の招聘など、88年までに毎年のように渡日し、制作を続けながら多くの篆刻作品を遺した。

 高氏は93年9月25日、忠清南道牙山市(旧温陽市)の自宅で亡くなった。享年88歳。

 臼井館長は「書作品は印の押し方、位置など印を含めた全体の総合芸術で、落款印も重要な芸術の一部になっている。書家たちは名のある篆刻家に彫ってもらいたいと思っている」と語る。

 今回の展示は、比田井氏の門下生で高氏と共に学んだ桑原氏の弟子のひとりである吉野大巨さんが企画。没後24年の高氏の刻印を所持する書家たちは多く、展示作品はこれら関係者が出品した。

 篆刻美術館、古河街角美術館ともに開館9〜17時。企画展開催中は、篆刻美術館入館料(古河街角美術館共通)300円。休館日は共に24日。

 問い合わせは篆刻美術館(0280・22・5611)。

(2017.11.8 民団新聞)
 
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