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<社説>徹底制裁で即効を期せ…閉鎖的でも対外依存度高い北韓
 国連安全保障理事会が新たに採択した北韓に対する制裁決議2270は、中国を含む多くの国で早くも履行段階に入った。国連史上もっとも強力で実効性がある制裁決議との評価を裏切らない出足と言えよう。

人道配慮ゆえに

 2270は前文で「この決議が科す措置が北韓住民に人道上の悪影響を与えることを意図していない」ことを強調している。国際社会はこの精神を尊重する意味でも、北韓が5月初めに開催する36年ぶりの党大会までを勝負どころだと肝に銘じ、即効性を最大限に発揮することが望まれる。北韓独裁政権には民衆に犠牲を強いて省みない属性があるからだ。

 2カ月間で致命的な打撃を与えられるわけではない。しかし、党大会までに少なくとも、金正恩政権中枢をして「このままでは持ちこたえられないかも知れない」との深刻な先行き不安を抱かせることが事態を解決に近づける。

 イランが昨年7月、米ロ中英独仏6カ国との13年にわたる協議のすえ核開発の制限を約し、米欧諸国が制裁を軽減・解除するとした「最終合意」に至ったことを想い起こしたい。イランは核兵器開発の道をほぼ閉ざすことになっても、国民生活の向上を選んだ。

 2270による制裁措置は、イランに科されていたそれより厳しいにもかかわらず、北韓には通用しないとの見方はなお根強い。経済制裁で苦痛を受ける市民・中間層や政策決定に影響を与える世論が北韓には存在しない、というのが主な論拠になっている。しかし、北韓が外部環境の影響を受けやすい体質になっていることに着目すべきだ。

広がる「私経済」

 北韓は国際社会から完全に孤立しているわけではない。160余カ国と国交を結び、約90カ国と交易している。中国とのそれが突出しているとはいえ、年間貿易額が1億砲鮠絏鵑觜颪眈なくない。さらに、EU(欧州連合)加盟国を含む50余カ国に、最大で10万人とも推測される労働力を輸出している。

 国連の北韓制裁委員会は昨年の制裁実績について、履行状況を報告したのは加盟193カ国のうち42カ国にとどまり、2006年の制裁開始以来、90カ国が一度も報告していないと公表した。これら諸国が制裁を一部実施するだけでも状況はかなり変わる。過酷な労働に従事する北韓労働者の人権擁護を唱え、特権を悪用して不正に外貨を稼ぐ外交官を追放すれば手厳しい圧迫となる。

 北韓社会の脆さや弱さは構造化して久しい。人命さえ平然と踏みにじる恐怖政治によって極端な閉鎖体制を引き続き維持しながらも、経済的には対外依存度がきわめて高くなったばかりか、内にあっては「計画経済」が縮小して「私経済」が拡大しているからだ。

 この二つは、1990年代に計画経済の生産・配給システムが瓦解したことに起因する。大量の餓死者を出す苦境のなかで中国の影響力が一挙に増大した。また、生きるがための闇市が各地に生まれ、人脈や能力のある者が高利貸しなどによって富を蓄積し、トンジュ(金主)と呼ばれる新興富裕層を形成する土台になった。

 私経済を牽引するのは党・軍・政の幹部と手を結び、市場原理で活動するこのトンジュたちであり、数万人から数十万人におよぶとされる。すべての経済分野で影響力を行使するまでになっており、そのなかでも最有力者は政権中枢と結託して中国との貿易で荒稼ぎしてきた。下層クラスでも中国との密貿易などで富を蓄えている。

動揺する富裕層

 北韓経済は一昨年までの数年間、比較的に順調だった。鉱物資源に対する中国の需要増大と価格の上昇が後押しした。だが、中国の成長鈍化にともなう需要の減少、それにあいまっての価格下落は北韓経済を再び不振に陥らせている。

 異次元の強力な制裁決議はこうした局面で発動された。北韓経済の貿易依存度は公式統計だけでも40%を超す。そのうち中国への依存度は90%におよび、対中輸出の40%を鉱物資源が占める。例外条項があるとはいえ、この最大の稼ぎ頭に対する禁輸制裁はかつてない打撃となろう。

 計画経済への復帰が不可能である以上、私経済への依存は強まる。トンジュと称される一群にはまだ、自らの特殊権益を守るための連携があるわけではないとしても、富裕層としてすでに無視できない力をもっている。制裁強化は、ジリ貧を甘受するはずもない富裕層と政権中枢との「利益共同体」に、亀裂を生まずにはおくまい。

(2016.3.16 民団新聞)
 
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