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読みたいウリ絵本<最終回>助け合いの心 語りつぐ
文 ペク・ソク 絵 ユ・エロ 訳 ピョン・キジャ 出版社 平凡社
いろいろな画家による絵本
 このコラムも今回で最終回です。最後に南北両方の子どもたちが大好きで、長きにわたり読み継がれてきたロングセラー絵本、『いっしょにごはんたべよ』を紹介しましょう。

 むかし話でもないのに、南北両方の子どもたちが知っているというのには、わけがあります。原文は、北朝鮮で1957年に出版されたペク・ソクの『はさみむしの四兄弟』に収録されたお話だからです。

 ペク・ソクは1912年に平安北道の定州市で生まれ、日本の青山学院大学で英文学を学びました。36年にはじめての詩集『鹿』を発表します。咸鏡南道咸興市の学校で教師をしていましたが、解放後には故郷にもどり創作活動に励みました。

 ペク・ソクが北朝鮮で活動したということから、以前は韓国では正当な評価を受けることはありませんでした。しかし今日では「詩のような、抒情あふれる童話を書いた作家」、「童話詩という新たなジャンルを開拓した作家」、「民族固有の言語をリズミカルに行使した詩人」などと、その作品はどれも高く評価されているのです。

 今回はユ・エロが絵を担当し、日本語版もでた『いっしょに…』を紹介していますが、韓国では下の写真のようにちがう画家が絵をつけたこの物語の絵本が、7冊も出版されています。それほどまでに、国民から絶大な支持を得ているのです。もちろん教科書にも、収録されていますよ。

 では、内容です。むかし、貧しいけれど気立てのいいカエルがいました。ある日、兄さんにお米をわけてもらいにでかけたのですが、その途中、ケガをしたサワガニと出会いました。カエルは急ぎの用事も忘れて治してやります。

 すると今度はコメツキバッタが道に迷っていたので、カエルは道を教えてやりました。するとまた、穴に落ちたフンコロガシ、草に絡まったカミキリムシ、水におぼれたホタルと出会います。そのつど、カエルは急ぎの用も忘れて、みんなを助けてやるのでした。

 そのせいで、兄さんの家に着いたのはすっかり暗くなってから。どうやって帰ろうかと途方に暮れていると、助けてやったホタルが飛んできて道を照らしてくれました。

 荷物が重くて困っていると、今度は助けたカミキリムシが飛んできて、代わりにかついでくれました。

 道の真ん中にフンが落ちていて通れません。するとまた、助けたフンコロガシが現れて道を開けてくれました。

 無事に家まで帰ったものの、臼がなくてつけずにいると、どこからか助けたコメツキバッタが現れて、足でついてくれました。薪がなくてご飯がたけずに困っていると、助けたサワガニも現れて、ぶくぶくあわをだしてごはんを炊いてくれたのです。

 そしてみんなでまあるくお釜を囲み、ひとつ釜のご飯を食べたのでした。

 この絵本が長く愛されているのは、助け合うことの大切さと、一緒にご飯を食べることのたのしさを教えてくれるからです。わたしたち同胞も助け合い、一緒にご飯を食べながら励まし合ってきました。そのことを子どもたちに、しっかりと伝えていきましょう!

キム・ファン(絵本作家)

(2016.3.9 民団新聞)
 
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