掲載日 : [18-07-30] 照会数 : 11079
在日2世流木華道家が作品展示
[ 流木華道家の金光風さんと創団70周年のためにいけた作品 ]
民団栃木本部の創団70周年記念式典を祝い、在日2世の流木華道家で家元でもある金光風さん(73、本名・金光子)が式典会場の片隅で自身の作品を展示した。金さんが在日同胞関連イベントで自身の作品を披露したのはこれが初めて。
流木華道は形も大きさも違う流木に生命を吹き込む新しい華道の形。今回、3つの新作のために用意した流木は総重量で200㌔にのぼる。36時間ほぼ没頭して製作した。中心となる「真」にはそれぞれいまが旬の夏椿を置いた。前からも後ろから伝統的なけばなの世界には収まりきれないワイルドなエネルギーを発散していた。
規格にとらわれず、いけ手の自由な思いを花材に託しているが、それも池坊で50年、草月で30年間培った確かな基本の裏打ちがあってこそ。5年前には駐日韓国大使館の夫人会を対象に「入門講座」を開き、好評を博した。
金さんは岐阜県生まれ。鉱山を経営していた父親の影響で幼少期から流木華道に親しむようになった。「面白いことをするな」と感心した父親が金さんを池坊の師匠のもとにあずけたことで才能を開花させた。これまで関東地区を中心に約50回の個展を開いてきた。金さんは「亡くなった父に見せたかった」という。