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<光復72周年慶祝辞>北韓の核暴挙阻止急務…中央団長 呉公太
「隷従状態から覚醒を」
朝総連系同胞に強く訴える


 親愛なる在日同胞の皆さん

 本日、第72周年の光復節を迎え、日本帝国主義の36年にも及ぶ植民地支配からの解放の喜びを、皆さんとともに分かち合いたいと思います。解放当時、世界で最貧国の一つだったわが国が、めざましい経済発展と民主化という今日の成果をもたらしたのは、先烈と諸先輩のご尽力の賜物です。心から敬意と感謝を表する次第です。

 昨年、わが民団は創団70周年を記念する様々な事業を展開し、成功裏に収めることができました。

 10月の記念式典では、韓日友好と韓日共生を掲げる一方、在日同胞の大統合を訴える「未来創造メッセージ」を発表し、今後の民団100年を見据えた方向性を鮮明にしました。

 現在の在日同胞社会は、特別永住者の減少と新定住者の増加に加え、日本国籍取得者の増加が進行し、世代間と新旧同胞間の意識格差があります。また、韓人会などの組織も生まれるなど多様化しています。これらの構造変化に対して、民団には改革が急務です。

在日の大統合めざす

 民団が求心体となり、日本籍同胞と新定住者を包容し、次世代が韓国に関心を持ち、民族意識を保持できる動機づくりをする事業に着手しなければなりません。

 在日同胞の「大統合」があってこそ、民団の役割が充分に果たせます。日本国籍取得者も対象に含めると同時に、同胞人口が最も多い40代を迎え入れる受け皿を準備し、年代別に分けて組織整備をしていきたいと思います。女性層を対象にした支部での子育てネットワークをつくる必要もあります。

 民団はこれからも韓半島にルーツを持つ者を広範に結集することを謳った「大統合」に向けて歩みを続けて行きます。この場をお借りして、70周年事業全般にご支援をいただいた全ての方々に改めて心から感謝を申し上げます。

シャトル外交を歓迎

 親愛なる在日同胞の皆さん。

 わが国は、朴槿恵前大統領が任期途中に罷免、逮捕されるという不測の事態を迎えましたが、第19代大統領選挙では、大きな混乱もなく5月に文在寅大統領が誕生しました。両国の懸案だった慰安婦問題は、2015年末の「韓日合意」によって、韓日関係改善の兆しを見せていました。文大統領が7月、ハンブルグでの初の韓日首脳会談で「国民の大多数が情緒的に『慰安婦合意』を受け入れていない」と安倍晋三首相に伝えるなど、韓日関係の行方にはまだ大きな課題があることは事実です。

 それでも文大統領は「韓日間のコミュニケーションは続け、ツートラック方式で経済協力や文化交流を拡大しよう」と呼びかけ、両国首脳が相互に相手国を訪問するシャトル外交を再開する等の成果を上げました。

 民団は韓日の政府間で交わした約束事は守られるべきであり「韓日合意」の精神に反する釜山の慰安婦を象徴する少女像の移転は、早急になされるべきだと主張してきました。これからも「韓日合意」が誠実に履行されるよう、より一層韓日友好の懸け橋の役割を果たしていきます。今後の関係改善に向けて、民間外交の担い手として、在外国民団体として新政権を支えていきたいと思います。

脱北者の支援も大切

 親愛なる在日同胞の皆さん。

 北韓は核実験や中・長距離弾道ミサイル発射を繰り返し、世界平和を脅かしてきたのにとどまらず、7月には2度にわたり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を強行し、日本の排他的経済水域に落下させました。これに対して、国連安全保障理事会は、北韓の石炭等の主力輸出品を全面的に禁止する制裁決議を全会一致で採択しました。さらには北韓に対して中立的なASEAN地域フォーラム(ARF)においても、「重大な懸念」を示す異例の厳しい声明が出されました。

 こうした北韓の暴挙が日本の北韓への感情が拡散し、南北を問わずして在日同胞に対してヘイトクライム等の何らかの悪影響が起こることを深刻に憂慮するものです。

 米本土を射程距離に置いたミサイル完成を公言し、あまつさえ恫喝を加える北韓の孤立化には歯止めがかかりません。こうした北韓に追従する朝総連は、あろうことかミサイル発射を歓迎する手紙を金正恩に送るという愚挙に及びました。在日同胞が朝総連に見切りをつける更なる醜態を自らさらしたと言っても過言ではありません。

 昨今、在日同胞経済の屋台骨とも言える遊技業業界が日本当局によって強い締め付けを受ける契機になったのも、核・ミサイル開発であり、北韓による日本人拉致問題です。

 北韓が引き起こす一連の国家犯罪が在日同胞の生活を圧迫している現実を無視し、「同じ民族同士」という情緒的な文言で民団に接触しようとする朝総連の謀略に絶対に乗せられてはなりません。

 私は朝総連系同胞に訴えます。在日同胞が日本社会で子々孫々にいたるまで豊かで平安な生活を担保するために、北韓の核やミサイル策動を止めさせる為に声をあげましょう。理不尽に拉致された日本人の原状復帰のために努力しましょう。そして「地上の楽園」という朝総連の甘言で北韓に送られ、生き地獄から逃れてきた脱北者をともに支援しましょう。特異な3代世襲制と極端に抑圧された人権状況も糾していきましょう。

 朝総連が在日同胞のための組織だと自認する気概がまだ残っていれば、北韓に隷従した状態から自らを解放しなければなりません。

ヘイト対策法強化へ

 親愛なる在日同胞の皆さん。

 在日同胞の生活を脅かすヘイトスピーチは、「ヘイトスピーチ対策法」が施行され、街頭デモは表面上、減少はしましたが実態はまだまだ酷いヘイトスピーチが行われています。

 さらには選挙運動に便乗してヘイトスピーチを強行する新たな局面が散見されます。私たちは「対策法」に罰則を含める法改正を求めるとともに、地方自治体レベルで禁止条例を成立させる運動を継続し、ヘイトスピーチ根絶まで闘う覚悟です。

 結びに当たり、私は在日同胞社会のリーダーとして、在日同胞社会の大統合で新たな民団づくりのためにまい進することを約束して、慶祝辞に代えさせていただきます.

(2017.8.15 民団新聞)
 
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