『日本型排外主義』を出版した樋口直人さん(徳島大学教員)が4月20日、東京・千代田区の首都大学東京秋葉原サテライトキャンパスで「日本型排外主義と在日コリアン」と題して講演した。同出版記念講演会実行委員会の主催。 なにが憎悪を生み出したのか。樋口さんは歴史認識問題にからむ近隣諸国への憎悪と歴史修正主義を挙げながら、「愛国心がとてつもなく的外れの方向に走っている。この動きを右派の論壇やインターネットが促進したのは事実」と結論づけた。 こうした排外主義者や歴史修正主義者らは自らを「保守」「ナショナリスト」と呼んでも、極右と名乗ることは決してない。「自分たちのやっていることは正しいと信じているが、その言動は極右そのもの。これ以上広がらないように主張の正統性を失わせなければならない。『保守』と区別される『極右』を日本政治の語彙に持ち込むことが必要」と強調した。 講演終了後、NPO職員の金朋央さんが感想と意見を述べた。会場からはヘイトスピーチに対する法的措置を求める声も。ある参加者は、「日本の最高権力者は『遺憾』だけで『NO』と言わない。だからこそ『やっていいとも』となる」と指摘した。 (2014.5.7 民団新聞) |