Home > ニュース > 社会・地域 |
| 慰霊碑前で犠牲者を偲ぶ民団神奈川の関係者ら | | お礼を述べる県北支部の朴利明支団長(埼玉県熊谷市) | 関東大震災から94年
1923年の関東大震災から今年で94年目。神奈川、千葉、埼玉、群馬の各地で民団や市民団体が追悼と慰霊の式典を営んだ。今年は小池百合子都知事が約6000人といわれる犠牲者数に疑義を呈し、歴代都知事が行ってきた追悼文の送付を見送った矢先だけに、あらためて虐殺の事実を後世に伝えていかなければとの思いを強くしていた。
行政からも参列
民団神奈川本部(金利中団長)は横浜市南区の宝生寺で追悼法要を行った。役員を中心に50人余りが参列。本堂での読経が終わると境内に建つ「関東大震災韓国人慰霊碑」前で頭を垂れ、全員で焼香した。
主催者を代表して金団長があいさつ。続いて駐横浜総領事館の李明烈総領事が弔辞を述べた。また県と横浜市から行政関係者も参列し、過去の惨事を共有した。
宝生寺は社会事業家の李誠七氏の申し入れを受けて、震災の翌年から法要を続けている。途中で民団が引き継ぎ、現在の追悼碑も建立した。
犠牲者偲び献花
民団千葉・船橋支部(張恒星支団長)は1日、同会館で被殺同胞を偲んだ。
式典に先だってETV特集「関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか」(2016年9月3日、NHK放映)を録画したDVDを流し、惨劇に思いを馳せた。民団千葉本部の金鎭得団長は「悲惨さがひしと伝わってきて涙が出た。加害の事実が確かにあったことを知らせていかなければ」と感想を語った。
代表して献花を行った張支団長は「一部で関東大震災による同胞虐殺の事実究明どころか、歴史そのものを消そうとしている動きが起きている」と批判し、「この地で子子孫孫平和で暮らせるよう、共存共栄社会の構築に努力する」と誓った。
関東大震災で通信網が途絶したなか、海軍東京無線電信所船橋送信所は流言飛語を日本全国に伝える役割を果たした。東京方面から避難してきたり北総鉄道(現・東武野田線)の工事で働いていた同胞労働者とその家族らが自警団によって殺害された。
式典開催に感謝
埼玉では東京から群馬県に向かう避難民が、熊谷市・本庄市・上里町で警戒にあたっていた自警団と群衆に襲われた。各市町は毎年9月1日、民団と総連の関係者を招いて行政主催の慰霊祭・追悼式を営んでいる。民団からは田 団長をはじめとする本・支部役員ら30数人が参席した。
今年の式典では最初に総連側が追悼辞、民団県北支部の朴利明支団長が最後のお礼のことばを読み上げた。
朴支団長は、「あのような惨事が再び起きないよう、われわれは過去の歴史に学ばなければならない」と述べた。
慰霊碑前で焼香
群馬県藤岡市では藤岡警察署に保護されていた17人が2000人におよぶ民衆の手で惨殺された。民団群馬本部(朴旋用団長)から姜成澤顧問と権在一副団長が成道寺に建つ慰霊碑の前で焼香した。この後、一人が犠牲となった倉賀野市の九品寺にも足を運び、お墓の前で手を合わせた。
(2017.9.13 民団新聞) |
|
|
|