地方本部 HP 記事検索
特集 | 社会・地域 | 同胞生活 | 本国関係 | スポーツ | 韓国エンタメ | 文化・芸能 | 生活相談Q&A | 本部・支部
Home > ニュース > コラム
<布帳馬車>「貧すれば鈍する」vs「窮すれば通ず」

 日本の為政者は従軍慰安婦問題について、軍の関与と強制性を認めた河野談話があるにもかかわらず、強制性を示す文書(証拠)は存在しないとの立場を間欠的に示してきた。その中心人物の一人である安倍首相は、河野談話の見直しさえ公言してはばからない。こうした奇異な態度が橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要だった」などとする妄言につながっている。

 文書がなければ犯罪行為は立証できない? まさか! それを裏付ける公の文書などなくとも、被害者の証言と状況証拠があれば十分なはずだ。日清・日露戦争当時から万国公法に通じていたことを自慢してきた日本は、戦時国際法にも熟知していた。それに抵触する行為を示す文書は極力残さず、残っていたとしても焼却したに違いない。

 そもそも、文書のなかったことが事実そのものの不在を意味しない。加害の歴史に対する反省は、相手に対して真摯であるのはもちろん、自らの人としての尊厳と名誉に基づくべきだろう。自分を守ろうとして、傷つけた相手を再び貶める言動は見苦しい。

 東京新聞によれば、ジュネーブ開催の国連拷問委員会(5月21・22日)で、「被疑者の自白に依存する日本の捜査慣行は中世の残滓」との指摘に対し、日本の人権大使が「日本は世界第一の人権先進国」だと反駁、あわてて「人権先進国の一つ」と言い換えて失笑を買うと、人権大使は「なぜ笑う。黙れ、黙れ!」と叫び、会場を唖然とさせた。

 国際的な批判に一矢報いようとする強硬発言が逆に、窮地を広げる日本の姿そのものを見た気がする。「貧すれば鈍する」でなく、「窮すれば通ず」になってほしいものだ。(D)

(2013.6.12 民団新聞)
 

最も多く読まれているニュース
差別禁止条例制定をめざす…在日...
 在日韓国人法曹フォーラム(李宇海会長)は7日、都内のホテルで第6回定時会員総会を開いた。会員21人の出席で成立。17年度の報告があ...
偏見と蔑視に抗って…高麗博物館...
 韓日交流史をテーマとする高麗博物館(東京・新宿区大久保)で企画展「在日韓国・朝鮮人の戦後」が始まった。厳しい偏見と蔑視に負けず、今...
韓商連統合2年、安定軌道に…新...
金光一氏は名誉会長に 一般社団法人在日韓国商工会議所(金光一会長)の第56期定期総会が13日、都内で開かれた。定数156人全員(委任...
その他のコラムニュース
<訪ねてみたい韓国の駅30...
歴史伝える赤レンガ駅舎 赤レンガの駅舎が、行き交う人々を見守っている。 韓国の鉄道の玄関、ソウル駅。1925年に竣工した赤レンガ...
<訪ねてみたい韓国の駅29...
開業100年、世界遺産の玄関 歴史ある古都の玄関には、それにふさわしい風格が備わる。韓国の古都と言えば、新羅の都、慶州だ。その玄...
<訪ねてみたい韓国の駅28...
未来都市のユニークな駅 いかにも未来的な名前のこの駅は、なかなかユニークな存在だ。まず第一に、その立地。ソウルメトロ6号線、空港...

MINDAN All Rights Reserved.