Home > ニュース > 文化・芸能 |
父が韓国人、母が日本人のもとに生まれた著者は、在日韓国人だった。日本国籍を取得して国会議員に当選し、民進党参議院議員である。
多くの人が韓日関係が厳しい時代だと指摘する。もはや定説になっているようだ。だが、著者は「昔に比べればマシだ。日本人が韓国を知るようになったからだ」と言う。 韓日ダブルの出自ゆえに、両国の微妙な関係には、幼い頃から人一倍敏感だった。日本が韓国を見る目が変わった転機を、88年のソウル五輪ととらえている。それまで誘っても敬遠された焼肉店に、日本人が行列をつくるようになった。その後、サッカーW杯韓日共催や、「冬ソナ」に象徴される韓流ブームが日本で爆発する。
しかし、物事には光もあれば、影もある。「嫌韓流」が起き、あげくにヘイトスピーチの嵐が吹き荒れた。もともと韓国に悪いイメージをもっている旧世代と、ネット世代がでたらめな「在日特権」を鵜呑みにして手を結び、嫌韓に走ったのだ。双方の政治家が受け狙いのポピュリズムに走り、マスコミが「売らんかな主義」で関係悪化を煽るような記事を書く。それらに影響された人たちが、互いにネット上でののしり合う。それが冷え込んだ韓日関係の実態だと指摘。韓日間の歴史を知り、相互交流することが解決策だと強調する。
白眞勲著 花伝社 1500円+税 03(3263)3813
(2017.4.26 民団新聞) |
|
|
|