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「SCRAP」東京公演…在日集団「アパッチ族」描く |
1958年、大阪砲兵工廠跡地を舞台に、回収した鉄屑を売って生活の糧にしていた在日同胞の集団「アパッチ族」を描いた演劇「SCRAP」が7月1日から17日までSpace早稲田(東京・新宿区)で上演される。
劇作家で俳優のシライケイタさん(温泉ドラゴン)が書き下ろした「SCRAP」は、日本・文化庁委託事業「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」で、新進演劇人育成公演・劇作家部門に選ばれた作品。
アジア最大ともいわれた兵器工場は終戦間際、大規模な空襲を受けて壊滅した。巨大なコンクリートと鉄骨の瓦礫の山と化した廃墟に忍び込んで、鉄屑を掘り起こすアパッチ族。だが鉄屑は国有財産で、警察は取り締まりを強化していく。生き抜くために、警察と激しい攻防を繰り返す、アパッチ族のすさまじい生命力を感じずにはいられない。
劇中、日本人である主人公のヒノマルが、「お前たちと一緒に住み、一緒に仕事をしていたことを家族に言えていないんだ」と在日の友人に告白するシーンがある。だがシライさんは、ヒノマルの「いつか家族に話して、家族を連れて遊びに来る。その時にお前たちのことも紹介する」という短い言葉に思いを託す。
「ヒノマルには、本当にそうして欲しいと思った。それはすなわち、現代を生きる我々に突きつけられた課題でもあると思うのです」
「国家、国境を超えて、人間は理解し合えるか。もしくは、理解しようと努力できるか。愛そうと努力できるか。人間らしく生きるとはどういうことか。そんなことを、観客が考えてくれたら嬉しい」と話している。
チケット3500円ほか。チケットぴあ(0570・02・9999、Pコード458‐728)、チケットぴあサイト(http://t.pia.jp/)。
予約・問い合わせは日本劇団協議会(03・5909・4600)平日10〜18時、流山児★事務所(03・5272・1785)平日13〜17時。
(2017.6.28 民団新聞) |
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