光復から70周年。民団主催の記念式典を終えての第2部アトラクションは各地とも節目の年を飾るにふさわしい内容となった。主なものは映画上映、韓国伝統文化と劇団の公演、コンサート・歌謡ショーなど。今年は国交正常化50周年とも重なるだけに、日本人をゲストに招いたところも例年以上に目立った。全国の式典のなかから一部を収録した。

 

 

　東京（金秀吉団長、15日、日比谷公会堂）　「韓国伝統歌謡の女王」として親しまれている李美子さんをスペシャルゲストに迎えての芸能特別公演がメーン。共演は趙英男さんと田月仙さん。東京韓学土曜学校で学ぶオリニも童謡を合唱した。最後はソウル―東京往復航空券などの当たる景品抽選会も行われた。

 

　神奈川（金利中団長＝13日、横浜市関内ホール）　韓国の国民的な歌手テジナを招請した。テジナは「祖国解放の先駆である在日同胞と一緒に光復節を迎えられることを誇りに思う」とメッセージ。神奈川県と友好提携を結ぶ京畿道の協力のもと道立国楽団のメンバー3人が来日し、民族音楽を披露した。約1000人が参加。

 

　茨城（張仙鶴団長＝9日、ふれあいの里）　野外での開催。オリニたちが今年の林間学校で習い覚えた「アプロ」を元気よく歌い、参加者から大きな拍手を受けた。新定住者をはじめとする新しい顔ぶれが目立ったのも例年にない特徴。最後は抽選会で盛り上がった。

 

　埼玉（景民杓団長＝8日、県本部）　西田実仁参議院議員（公明党埼玉県本部代表）が記念講演。「ヘイトスピーチ根絶へ向けて引き続き法律制定に全力を尽くす」と強調、差別と偏見のない社会の実現をめざすと述べた。

 

　西東京（全實団長代行＝9日、民団本部）　韓国のジャン・ミランや日本の伊達ゆたかといった新進歌手による歌謡ショーを鑑賞しながら祝宴を楽しんだ。

 

　群馬（朴旋用団長＝8日、前橋市内のホテル）　式典を終えての懇親会で「2015在日同胞次世代サマースクール」に参加した中学生の様子をＤＶＤで振り返った。最後はビンゴゲームに興じた。

 

　静岡（姜再慶団長＝7日、清水文化会館マリナート）　劇団わらび座のミュージカル「ジュリアおたあ」を県内の日韓親善団体と共催。来場者は日本人を含め1000人を超えた。「韓日が政治的に冷え込んでいるなか、このような民間交流は貴重」という声が聞かれた。

 

　新潟（金慶昭団長＝15日、民団本部）　「韓国経済の秘密」に続き、映画「国際市場で逢いましょう」を上映。参加者からは「感動して涙が止まらなかった」といった感想が多かった。

 

東日本大震災の被災同胞を慰労

 

　宮城（田炳樽団長＝15日、民団本部）　式典を前にハングル学校宮城に登録しているオリニたちによるチャンゴ発表会。式典後は仙台市内で第9回ボウリング大会（県日韓親善協会との共催）を楽しんだ。この日のために遠方から駆けつけた孫と一緒にゲームに興じた参加者も。

 

　北海道（任泰洙団長＝15日、民団本部）　式典を終えるとバスで札幌市内の平和の滝に移動。韓国人殉難者の慰霊祭を碑の前で営んだ。子どもたちはヨーヨー釣りをしたり、綿飴をつくるなどして過ごした。

 

　福島（金仁河団長＝8日、郡山市内のホテル）　東日本大震災で被災した同胞を慰労するため1泊2日で開催。ドキュメンタリー映画「弁護士　布施辰治」を鑑賞した。

 

洋楽とチャンゴ「故郷の春」合唱

 

　愛知（鄭博団長＝15日、名古屋市中区「区民ホール」）　第2部で映画「ザ・テノール」を上映した。鄭団長は「ヘイトスピーチ、歴史問題など私たちを取り巻く周辺環境は厳しい。民団のもとに団結して頑張っていこう」と呼びかけた。

 

　岐阜（董勝正団長＝15日、岐阜市内のホテル）　董団長は「両国の関係が冷え込んでいるいま、私たちこそ懸け橋役をはたしていこう」と呼びかけた。ソウル行きの航空券や韓国焼酎の当たる抽選会を楽しんだ。

 

　石川（金沂秀団長＝9日、民団本部）　第2部は「小さなコンサート」。金沢市出身の坪倉かなうさんがバイオリン、同じく多田由実子さんがフルートを演奏。昼食会になると金団長がチャンゴ、朴賢沢さんがアコーディオンを演奏し、会場を盛り上げた。最後は「故郷の春」を合唱した。

 

　福井（尹鐘鎭団長＝16日、福井市内のホテル）　第2部で丹南ケーブルテレビの吉田登喜男常務が講演し、福井県丹南地方と韓国の扶余を舞台にした劇場版映画「つむぐもの」の製作決定の経緯について語った。第3部でビンゴゲームを楽しんだ。草野球チーム創団発表会も

 

　大阪（鄭鉉権団長＝15日、大阪韓国人会館）　平野東住吉支部の呉行男前支団長と堺支部の呉時宗前支団長に、鄭団長から感謝状と記念品が贈られた。第2部で韓国映画「国際市場で逢いましょう」を上映。650人が鑑賞した。

 

　兵庫（李圭燮団長＝9日、神戸文化ホール）　韓日国交正常化50周年記念公演「ジュリアおたあ」を団員、地域住民ら1400人が鑑賞した。式典では同胞社会への貢献を称え、6人に李成権駐神戸総領事から感謝状が贈られた。

 

　京都（河相泰団長＝15日、民団本部）　式典には約200人が参加。席上、河団長は「京都コリアフェスティバル」で「朝鮮通信使」を再現したいとの考えを明らかにした。同フェスティバルは京都日韓親善協会との合同開催。

 

　滋賀（朴鍾文団長＝15日、大津市内のホテル）　京都国際学園舞踊部の生徒たちが3面太鼓、5面太鼓、扇の舞で会場に花をそえた。のど自慢大会には韓国語講座で学ぶ日本人受講生も参加し、一般団員と競いあった。

 

　和歌山（権逸団長＝15日、民団本部）　第2部で民団草野球チーム「和歌山レッドタイガース」を創団したことが発表された。権団長が監督、コーチ、選手たちを激励した。

 

 

　長崎（金亨道団長＝15日、長崎市内のホテル）　第2部で民団中央本部制作の映像記録「民団の歴史」を鑑賞した。初めて見たという団員には「民団の歩みがよくわかった」と好評だった。

 

　佐賀（鄭清俊団長＝13日、県立生涯学習センター）　「在日70年の歩み」と題した写真展を開催。解放後、必死に生きてきた同胞の姿を紹介した。パネル総数220枚。このなかには会館落成式や遺骨安葬など県内団員から提供を受けた貴重な写真も含まれている。

 

　沖縄（金仁洙団長＝15日、那覇市内のホテル）　記念式典後、アトラクションとして北谷町謝苅青年会と光史太鼓保存会が琉球舞踊を披露。地域と一体となって祝賀ムードを満喫した。また、ロペカアンサンブルによるコンサートも行われた。

 

　高知（鄭慶文団長＝12日、土佐御苑）　婦人会メンバー6人によるチャンゴ演奏で幕開け。広島出身の在日同胞歌手、李翔雲さんが歌謡ショーで会場を盛り上げた。最後はビンゴゲームも。

 

 

　広島（沈勝義団長＝15日、東区民センターホール）　広島カヤグム教室の受講生たちが公開の場では初となる演奏を披露した。同教室は大阪韓国文化院の支援を受けて4年前から開設中。単色の線で広島の原爆犠牲者を描く「ドローイングショー」も好評を博した。広島韓国会館での1部式典では成人式と奨学金の授与式も行われた。

 

　岡山（宋燦錫団長＝15日、民団本部）　第2部で映画「国際市場で逢いましょう」を上映。団員から「韓国発展の近代史や当時の時代背景がよくわかった」と好評だった。式典では民主平統諮問委員への委嘱状伝達式も行われた。

 

　鳥取（薛幸夫団長＝9日、民団本部）　第2部で司法書士の金允基さんが在日の相続問題についてミニ講座。第3部ではドキュメンタリー映画「日本鬼子（リーベンクイズ）」が上映された。薛団長は後半期に目白押しの行事への参加を呼びかけた。

 

　山口（姜昌憲団長＝9日、下関シーモールパレス）　第2部で韓宇景さんの歌謡ショーを楽しんだ。歌に合わせ民団、婦人会、青商のメンバーが踊った。

 

（2015.8.26　民団新聞）