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わが街、ウリ支部<1>

愛知県・瀬戸支部



梁東一・瀬戸支部支団長

 日本の全国各地に居住する同胞。その同胞の権益擁護や経済発展、文化向上を図るのが民団の使命だ。各県に地方本部を置くが、団員と直接触れあうのは主に支部の活動となる。支部活動が活発な地域ほど、居住同胞の士気も高い。すなわち同胞間の相互扶助という民団の精神が発揮されていると言える。各地域で同胞のために積極的に取り組んでいる支部を紹介する。


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動員で勝負!
愛知県・瀬戸支部

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■全戸訪問が原動力
 幽霊役員廃し責任を分担

 全国に名をとどろかす瀬戸物の街、瀬戸を管下に含む支部だ。

 昨年の光復節、愛知県の式典に瀬戸支部からは176人の同胞が参加した。動員目標の150%近い数だ。光復節だけでなく三・一記念式など民団の行事では必ず目標数を超過達成するなど支部の士気は高い。

 団費は385世帯が納入し、残りは高齢者などの免除世帯で、ほぼ全世帯を網羅している。

 執行部は梁東一支団長(55・本部副団長兼任)以下、全員が二世だ。支団長就任に当たって、まず取り組んだのが、名前だけの幽霊役員を無くすことと、執行部一人ひとりに意見を述べさせることだった。無責任態勢を無くして「発言することで同じ土俵に上げ、無関心を無くしたかった」という。

愛知でも最大級を誇る
瀬戸支部会館

 「なぜ団員に集まってもらうのか」、光復節、三・一記念式など、それぞれの活動の意義を確認する作業も役職員に使命感を与えた。

 現在は、各課がそれぞれ担当業務に対して自らが企画し、予算化し、動員も担当する。自ら企画した催しを成功させたいと思うのは当然のこと。その結果、役員同士の意見交換も密接になると同時に、親身になった協力態勢が作られていった。2年間の積み重ねでこのシステムが定着し、支部活性化に大きな役割を果たすことになった。

 この活動が実を結んだのが瀬戸支部の五十周年式典だった。明確に定められた役割分担に沿って動く支部役員を見て、本部役員も驚きを隠せなかったという。

 団員は支部役員の動きを見ているとも言う。「何も動かなければ団員も動かない」と言うのが基本的な考えだ。

 役員が一丸となって全世帯を戸別訪問する、年に一度の活動は欠かさない。特に10年前に就任した董勝卿事務部長は全世帯を訪問している。一軒一軒すべての世帯を把握していることが、団員からの信頼を得る原動力ともなっている。

 10年前に比べると、団費収入は倍以上に伸びている。支団長の経験則から、支部を訪れた団員には絶対に団費の話をしてはいけないという厳命がある。団費は支部が積極的に団員サービスを実施すればすすんで払ってくれるもの、という考えがあるからだ。

 「団員の顔が見える活動を」というのが瀬戸支部のモットーだ。団員一人ひとりの要望を聞き、どのように民団活動に反映させていくかを絶えず考えながら「何が団員のためになるのか」を実践してきた積み重ねが現在の活性化につながったようだ。

 10年前にパソコンを導入し、全世帯の把握につとめた。結果、パスポートの期限切れ、成人式の案内などこまめな情報発信が可能になった。これも団員と支部をつなぐ柱となった。


明るい瀬戸支部の事務室

◆瀬戸支部の略歴

 1948年9月13日、愛知県下の四番目の支部として結成。現支部会館は70年4月に当時としては最大級の支部会館であった。瀬戸、尾張旭、長久手の一部を管下とし、約468世帯の団員を網羅する愛知では中堅に位置する支部。

(2000.01.01 民団新聞)



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