民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
2000年を地方参政権結実の年に

新年会で日本議員ら熱いエール



約1000人の団員らが参加し、
地方参政権の年内実現を誓い合った新年会

■通常国会で成立を

 2000年を迎え、新しい1000年紀のスタートを飾る新年会が各地で開かれた。東京本部との合同開催となった中央本部の新年会は11日、東京・白金台の「八芳園」に在日同胞の各界人士や日本の国会議員ら約1000人を集めて、目前に迫った地方参政権獲得に一丸となって邁進することをあらためて決意した。日本の国会議員も1月20日からの通常国会で成立させたいと積極的な意見が相次いだ。

 東京本部の夫昇培団長の開会辞に続き、駐日大使館の金セキ圭大使は金大中大統領のメッセージを代読した。金大統領は(1)国民和合の具現(2)国政改革の完遂(3)新知識人社会の実現(4)世界一流経済の志向(5)南北協力の促進―の五つの国政指標を掲げ、国民と海外同胞が目標達成にともに歩むよう求めた。(全文別掲)

 中央本部の辛容祥団長は、地方参政権獲得について「自民、自由、公明の三党連立与党の合意により、国会で成立するのも時間の問題」と情勢分析しながら、今世紀中の課題は今世紀中に解決を、と強調した。また、2002年サッカーW杯については、韓日両国が新しい運命共同体を創造する歴史的な「天の啓示」として、両国の将来を祝福する大イベントにしようと呼びかけた。

 新年会には韓日両国を代表する国会議員ら100人を超える人士が駆けつけたが、あいさつでは地方参政権問題に話題が集中した。韓国の国会副議長で韓日議員連盟の金〓鎬会長代行は「昨年11月の韓日・日韓合同総会で積極的に推進すると約束している。今年上半期には必ず達成できる」と述べ、日本側議員の努力を促す盛大な拍手を送った。前国会議長で韓日親善協会の金守漢会長は「地方参政権は在日同胞の希求だけではなく、国際化が問われている日本の国内問題」として、新しい世紀に道筋をつけようと訴えた。

 これに対して、日本側はまず自民党の野中広務幹事長代理が「参政権や戦後補償問題を解決するのが、この時代に生きる日本の政治家の責任」と明言した。公明党の冬柴鐵三幹事長は「昨年10月の連立与党協議で参政権を成立させると明記している。1月20日からの通常国会で提案されると信じている」と話し、自由党の藤井裕久幹事長も「三党合意で成り立っている政権が、在日韓国人だけでなく日本国民に参政権付与を約束している問題だ」として通常国会に冒頭で提出し多くの賛同を得たいと重ねて発言した。

 民主党の中野寛成副代表も続けて「国会冒頭に成立させることができなければ、三党連立を解消すべき」と強調。国務大臣で日韓議員連盟の越智通雄副会長は「政府として話し合いの結果、決められた問題。速やかに実現するよう努力する」と話し、元大蔵大臣で日韓親善協会の三塚博会長も「有史以来の友好関係にある韓国との約束事は誠実に守らなければならない」と続けた。

 W杯について、日本サッカー協会の岡野俊一郎会長(サッカー日本組織委員会副会長)は「スポーツは民族、言語、宗教、イデオロギーを超え人々を友達にする人間だけがもつ文化である」と持論を展開し、今年を韓日間のスポーツ、文化の幕開けにしようと呼びかけた。

 新年会ではさらに、在外同胞財団の金奉奎理事長が「在日同胞数が減少しているが、国籍は違っても韓国のプリ(根)をもち、在日の発展のために尽くしてほしい。そのためにも言葉や歴史、文化の習得を家庭教育から始めよう」と提唱した。その後、民団中央本部の李鍾大常任顧問(横浜商銀会長)の音頭で宴会が始まり、和やかな懇談が続いた。

(2000.01.12 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ