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阪神大震災から5年

支部会館改修に寄付3000万円
西神支部、韓国学園に運営へ



表彰を受ける復興委員

 【兵庫】95年1月17日に起きた未曾有の阪神・淡路大震災からまもなく5年目を迎えようとしている。多くの同胞、日本市民が人的にも物的にも大きな犠牲となった。新長田地区にある民団兵庫・西神戸支部(孫秀海支団長)もその例にもれず、鉄筋コンクリートの四階建ての会館は半壊した。

 昨年末にやっと、会館再建に費やした費用が団員らの温かい寄付によってまかなわれた。

 同支部会館は学校法人・西神戸韓国学園(張煕淳理事長)としても登録されている。在日同胞ばかりでなく日本の学校で教鞭をとる日本人教師たちの韓国語教室として幅広く利用されるなど、教育現場から共生の社会づくりを図ってきた。

 しかし、震災で建物は半壊。支部活動と韓国学園を再開しようにもままならなくなった。西神戸支部の多くの団員も半壊・全壊・全焼と大きな被害に見舞われるなか、会館の改修には大きな困難がのしかかっていた。当時の南相国支団長も途方に暮れたという。

 兵庫県、神戸市の教育委員会の協力を得て文部省に5000万円の修築助成金を求め、2000万円の助成を受けることができた。残りは寄付金を募ることとし、翌年8月、3年間の期限付きで寄付者の税金控除が認可された。だが、当時は殆どの団員が打撃を受けていたときでもあり、寄付はとても受けられる状況にはなかった。

 しかし会館を放置するわけにもいかず、文部省からの2000万円、民団中央本部の義援金1000万円、支部の義援金1000万円、同支部の剰余金5000万円を捻出して96年1月に改築した。

 剰余金まで拠出して改修しただけに、支部の財政は無いも同然の状況となった。昨年5月の大会の決定に従い、99年10月27日に寄付者の税金控除期間を利用した「震災復興委員会」(名誉委員長・南前支団長、委員長・孫現支団長、委員・朴鎬経議長、朴柱泳監察委員長、張学園理事長)が設置された。

 10月まで「神戸学園震災復興資金の勧進」が行われ、103人から3000万円の寄付を募ることができた。この費用は今後、学園の運用にあてられる。

 孫支団長は「学園は次世代の民族教育、国際理解の場として韓日の架け橋を担う重要な立場にある」と寄付者に深い感謝の意を表した。寄付者の一人、李才芳同支部副議長は「若い人に民族意識をもってもらうには、まずきちんとした組織が重要」という。

 9日に開かれた新年会では、103人の寄付者が紹介され、孫支団長から感謝状が贈られた。また5人の復興委員に韓国大使館の徐在会首席教育官から表彰状が贈られた。

 震災から5年、やっと一区切り付けることができただけに、関係者の喜びもひとしおのようだ。

(2000.01.12 民団新聞)



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