民団新聞 MINDAN
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辛野乃の短期母国修学記<1>

苦労してこそ世間が分かる



 2000年1月4日。お正月気分も抜けないまま、大荷物を抱えて成田空港に向かった。これから3カ月間は日本の風景も見られない。いよいよ今日から韓国珍道中の始まり、始まり!

 私が延世大学語学堂へ通うことを聞いて、色々な人が様々なアドバイスをくれた。今、こうして無事に暮らせるのも先輩たちのおかげ。だからこのコーナーでは私自身の失敗談も含めて有用な情報を紹介していきたい。将来、母国修学を考えている人は参考に、履修者の方々は懐かしく思い出して欲しい。毎日が冒険だった日々のことを。

 まずは初日に起こったホテル事件のお話。

 友人に安全で格安のホテルを探してもらい、金浦空港から直行した。

 タクシーを降りた時にちょっと「あやしい」雰囲気を感じたが、とにかく中に入ってみると、小さな窓の奥にいたアジュンマがギョッとした顔で私を見ている。そう、ここはいわゆるラブホテルだったのだ!

 笑い事では済まない。いくらなんでもソウル生活の出だしがこれでは悲しすぎる。仕方なく、一泊六万ウオン、ダブルベッドの部屋を断り、隣のホテルをのぞいてみる。と、あら、そこにはちゃんとフロントが。

 韓国のホテルは玄関にムグンファの星が並んでいて、その数でランクが決まるらしい。が、何を基準に決めているのかはよく分からない。というのも、ここ某ソウルホテルは星四つのわりに値段だけはそれなり、部屋はそれ以下な感じがしたからだ。4ツ星ホテルなんて贅沢な気もするが、物事のスタートにはやっぱり「気分」が大事。

 さぁ、これから難関の下宿探しが始まる。

(2000.02.02 民団新聞)



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