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忠北の農産物、日本進出へ

15社来日し商談会盛況



アイデアを加えた容器も
登場するなど関心を集めた商談会

 忠清北道の豊かな自然の中で生まれ育った農水産物と伝統加工食品の数々を日本で売り込もうと、道内から代表的な企業15社が来日、東京と大阪で商談会を開いた。忠清北道と農水産物流通公社が主催したもので、バイヤーや輸入業者の関心を集めた。


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高級志向先取り

 ダイエーや西武、ジャスコ、生協、コンビニエンスストア相手にキムチの輸出量を増やしている珍味食品(忠清北道報恩郡、李珍玉社長)は、従来の刻みキムチに加えて、高級タイプの「マンナ手作りキムチ」と「ポッサムキムチ」を売り出した。

 「マンナ手作りキムチ」は葉を刻んでおらず、1枚ずつ立っている。価格は差し置いたまま、分量で調整してある。容器もしゃれたデザインに変えた。李社長は、「日本人にこれだけキムチが浸透したいま、より高級なキムチを求める消費者心理を先取りした」と話す。26日の東京会場では、4カ所から工場見学希望やサンプルを求めるなどの引き合いがあったという。


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アイデアで勝負

 金剛食品(本社、忠州市)はキムチチゲの「ホット缶」を売り込んだ。簡単な操作で10分以内に熱々のチゲに早変わりするという特許製品。トルコやギリシャでは非常用食料として好評を博したという。韓平植代表理事は「目新しいものでなければ日本に輸出できない。登山などの際の携行食料として需要を見込めるのでは」と期待している。

 若い女性向けには、焼き芋を原料にした「スィートポテトジュース(クン・コグマ)」が喜ばれそうだ。韓国の病院では便秘に効くということで、食事時間に配られているとのこと。


企業担当者から説明を受けるバイヤー(手前)

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高級品を廉価で

 日本ではスタミナ食品として知られているスッポン料理。価格の関係で一般庶民の口には入りにくいが、韓国産は人件費の関係で2、3割安くできるのが強み。

 忠州市内に韓国政府認定のスッポン加工工場を持つ竜王食品(金善凡代表)では東京での商談会席上、千葉県内の業者との間でスッポンドリンクの代理店契約を結ぶことが正式に決まった。

 韓国産スッポンドリンクが全国のコンビニに並ぶ日も近い。

 農水産物流通公社・東京農業貿易館の金炯杓さんは「農水産物は鮮度などの関係で、信用が落ちやすいのが難点。安定した量をいかに供給できるのかも課題になる。小さい農家が単独で日本市場を開拓していくのは難しい。農家が集まって協力しあっていく必要がある」と話している。


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高麗人参は全国一の生産量

 忠清北道は夏と冬の寒暖の差が大きく、台風の被害もほとんどないため、韓国でも比較的高い品質の農産物を生産できる適地となっている。農家人口は道内全体の21・1%と、国内平均の9・7%を大きく上回る。

 主要栽培作物はタバコ、高麗人参、唐辛子、りんご、梨、ぶどう、桃など。特に、タバコと高麗人参はそれぞれ韓国国内全生産量の24・4%、24・5%と全国一位を占めている。

 これら農産物は輸出用に加工され、貴重な外貨をもたらしている。なかでもキムチは発酵健康食品として認知されてきたこともあり、98年には日本を中心に716万4000ドル(前年比19%増)の輸出高を記録した。

 野菜類加工業者は68社あるが、このうちの半数がキムチ類の製造に携わっているほど。

 また、味噌類も前年より55・2%の増加ぶりを見せている。しかし、高麗人参、唐辛子、穀物の粉などは減少傾向にある。

(2000.02.02 民団新聞)



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