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奈良大和郡山市でも「在日教育指針」

生駒市は策定準備急ぐ



 【奈良】奈良大和郡山市はこのほど在日外国人(主として韓国・朝鮮人)教育に関する「教育指針」を策定、1月21日までに市内の各学校長及び関係者に通知した。奈良県内ではこのほか、生駒市でも急ピッチで策定作業が進んでいる。県内10市で未策定なのは、五條市と香芝市を残すのみとなった。

 「大和郡山市外国人教育指導指針」は、99年12月1日付けで策定された。指針では「人権尊重」「国際理解」「多文化共生社会をめざす外国人教育」を進めていくとうたっている。

 同市内在住の外国籍住民は18カ国842人と10年前の二倍を数える。このうち韓国・朝鮮籍は全体の36%を占めるが、国際化の進展とともに南アメリカやアジアの国々からの新渡日者も増えている。

 県内では「同和教育の推進についての基本方針」策定以来、同和教育に熱心に取り組んできたため、外国人教育にも関心が高い。奈良市では83年3月に「在日外国人の児童・生徒に関する指導」と題する指針を策定、続いて県教委でも86年6月、「在日外国人(主として韓国・朝鮮人)児童・生徒に関する指導指針」で続いた。しかし、五條市と香芝市の両市については「同和教育基本方針」が策定されていない。

 日本人の排外主義や差別意識の克服に向けて取り組んでいる奈良県外国人教育研究会の寺井秀登事務局長は「香芝市では『朝鮮文化を発掘する会』があり、外国人教育に関わる教職員も多い。会員や保護者が立ち上がり、声を上げていってほしい。五條市にも同様のことが言える」と話している。


奈良県外国人教育研究協議会
策定の2市に方針化要請

 奈良県外国人教育研協議会では、未策定の2市が「指針」を策定したのを見たうえで、自治体から財政的支援の裏付けを得られる「方針」への格上げを要望していきたい考えだ。方針が策定できれば、各市に外国人教育を担当する「窓口」を置き、韓国・朝鮮籍の児童生徒のためにも母国語のできる教師を派遣できると寺井事務局長は話している。

 県立山辺高校では、第二外国語として「朝鮮語科」を設置している。県立高収高校でも国際語科を設置するなど、母国語教師への需要が高まっているのが実状。県内で韓国語を教えられる在日同胞教師としては、天理市立北中学校夜間学級に本名で勤務する常勤講師の金孝誠さんら2人が確認されている。

(2000.02.02 民団新聞)



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