| 各分野で在日同胞問題を 話しあったフォーラム |
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民団のあり方、率直に意見出し合う
21世紀の在日同胞社会と同胞の発展を支えてきた民団のあり方を考えるフォーラム(共同代表=鄭進・民団長野団長、朴平造・北海道団長、姜勝煕・三重団長、朴義鍾・広島団長)が11日、東京都内のホテルで開催された。
会場には民団はじめ傘下団体、民族学校、民族金融機関および同胞市民団体の関係者など広範な同胞人士ら約200人が参加した。
共同代表の一人、鄭進団長は、一部に民団中央の選挙に絡んだ動きではないかという憶測を否定し、36人の中心メンバーが計5回、1年半にわたって研究会を開いてきた事実と今後の在日同胞社会と民団がどうあるべきかを所属、立場などすべての垣根を取り払い自由に論議する場所にしようと訴えた。
フォーラムの冒頭、事務局長をつとめる朴善国民団山梨県本部団長は経過報告の中で、祖国分断・対立と日本社会の厳しい差別の中で全国的な一元ネットを構築し、在日同胞の地位向上、権益擁護、文化向上を果たしてきた民団の業績を高く評価した。その上で、1世から2、3世への世代交代、日本国籍取得者の増加など50数年を経て民団を取り巻く条件が大きく変化している状況を踏まえて、在日同胞一人ひとりが自民族に誇りを持って生きていくことができる社会を構築しようと呼びかけた。
同胞の安心感、信頼感を得られる民団にするために、民族教育、福祉・民生、組織、財源など多方面にわたって開かれた研究会の論議をまとめた研究結果が発表された。研究結果を元に、金敬得弁護士、朴一大阪市立大助教授、郭政義民族教育促進協議会代表、李隆男民団京都府本部副団長、金真徳民団千葉県本部総務部長をパネリストに、金広照外国籍かながわ県民会議委員長をコーディネーターにパネル討論が行われた。
民族教育問題では特に民族学校の生徒数減少や日本学校に通う同胞生徒へのアプローチなどの現状が紹介された後、国(日本)レベルでの民族教育への支援策を求めていく交渉や朝鮮総連との協議する場所が必要などとする意見も出された。また就職問題に関して在日のベンチャー企業を支援するシステムを構築し、かつ在日の雇用を促進できるのでは、という提案も。
このほか、日本国籍同胞へのアプローチ、民団会館を利用した歴史資料館の必要性など民団に対する提案が出された。
パネルディスカッションを受けて行われた自由討論では、4月から実施される介護保険の差別是正、民団の公益法人化の模索、財政確保のための事業展開など様々な意見が出された。
出された意見などについては関係者がまとめた後、民団中央本部に提出される予定になっている。フォーラムは今後も年に一度開催していきたいという。
共同代表の朴義鍾民団広島県本部団長は「明るい希望のある民団を3、4世に引き継いでいくためにより深く踏み込んでいきたい」と訴えた。
(2000.02.16 民団新聞)
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