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兵庫で「民族教育の場」確保へ

学校動かした教師らの熱意実る



兵庫県外教の報告会

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兵庫県「在日外国人教育研究協議会」が報告会

 【兵庫】兵庫県在日外国人教育研究協議会(兵庫県外教、安保則夫会長)の第5回研究集会が12日、神戸市立蓮池小学校で開かれた。今年の集会テーマは「在日外国人が民族名(本名)で学び、共生できる学校・社会をつくろう」。公立学校の教職員、行政担当者、保護者、児童・生徒ら600人余りが参加した。

 午前中は「21世紀の共生社会をめざして」と題した「在日青年シンポジウム」が行われた。パネラーには韓国・朝鮮、中国、インドシナ難民の5人が加わった。午後からは第一「保育・教育内容」、第二「子どもと関わって」、第三「地域・保護者の活動」など四つの分科会で各自の実践報告があり、討論した。

 第二分科会で「民族教育のささやかな取り組み」と題して報告した川西市立川西南中学の巽照久教諭は、在日同胞生徒に対する差別発言をきっかけに「人権」を視点に据えた在日外国人教育に体当たりで取り組んできた経過を述べた。

 同教諭の取り組みの結果として同校では99年4月、民族教育のための場「在日朝鮮人の主体性を育てる場『ヘバラギ』(ひまわり)の運営について」が提起され全員で確認されたという。


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奈良県外教では学習会
「2つのウリナラ」著者の池田氏が講師

 【奈良】奈良県外国人教育研究会(伊藤中会長)は8日、かしはら万葉ホールで開いた「第20回学習会」に『二つのウリナラー21世紀の子どもたちへ』の著者、池田正枝さんを呼んだ。県内の公立学校教職員、同胞保護者ら800人が参加した。

 『二つのウリナラ』は日本の植民地統治下、韓国人児童に日本人化教育を施し、そうすることが「朝鮮人にとって幸せだと信じて疑わなかった」自らの教員生活を批判的に振り返ったもの。池田さんは己の無知がゆえに犯した罪の意識にさいなまれながら、過去の歴史の真相を若い世代に伝える「語り部」としての活動を展開している。

 学習会に先立って伊藤中会長は「体験を通して培われた池田先生の正義への信念を学習指導の教材として役立てて下さい」と述べた。

(2000.02.16 民団新聞)



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