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北韓は麻薬密輸を即刻辞めよ



 日本の警察庁が発表したところによると、昨年1年間に押収された約2トンにおよぶ覚醒剤のうち、43%が北韓絡みであることが明らかになりました。2トンという量は、過去5年間に押収した総量をも上回るといいます。北韓絡みの覚醒剤は863・8sにも及びます。

 これら情報は、日本マスコミでも大きく取り上げられ、警戒を強めています。報道を見て、在日同胞として嘆かわしい思いをすると同時に、北韓に対する怒りがわいてきます。そして日本市民の対北韓感情はますます悪化するでしょう。


■北韓の国家的犯罪体質

 米国務省の「国際麻薬対策戦略報告」によると、北韓北部の中朝国境付近で4200から7000ヘクタールにわたって、年間30から40トンのケシが栽培されているといいます。ケシから採取した生アヘンを精製して3〜4・5トンのヘロインが作られています。これは北韓からの亡命者の証言とも一致します。米国マスコミの報道によると、麻薬密輸だけで合法的な輸出額の20%以上の外貨を得ているといわれます。

 すでに北韓の大使館員らが麻薬密輸にかかわってきた事実は欧州やアジアでも発覚しています。麻薬だけでなく偽ドルの製造でも世界的に知られています。

 麻薬はいうまでもなく、大きな社会悪として世界中で撲滅運動が起きているのは周知の事実です。偽紙幣についても同様です。

 そして、何よりも恐ろしいのは、麻薬密輸などが個人ではなく、北韓の権力中枢そのものがかかわっている国家的犯罪だということです。世界中を探しても、このような国はありません。麻薬密輸にかかわり、偽ドルを製造している北韓とは一体何なのでしょう。もはやこれはマフィアや暴力団と何ら変わりはありません。

 テポドンミサイルを日本の上空を通過させて発射し、核開発を進め、外交交渉のカードに利用する北韓。生物・化学兵器工場の存在や日本人拉致事件および工作員の密入国など非合法手段も枚挙にいとまがありません。


■金正日書記の誕生行事に1億ドル

 また食べるに食べられずに脱北した人間に対する非人道的な行為も続いています。その一方で、15日に平壌で開かれた金正日書記の誕生日を祝う中央報告大会など祝賀行事には1億ドル(108億円)が使われたといわれております。公民という保護すべき対象者には食糧も与えず、一個人の誕生日に1億ドルを惜しげもなく使っているのです。何という矛盾でしょう。

 北韓の内情は、未だベールに包まれた部分が多いとはいえ、亡命者らによって徐々に明らかにされてきました。一個人の神格化と個人への忠誠以外は、すべておざなりにされてきた事実がますますはっきりしてきました。

 韓国を含めて世界の主要国は「平和と人道」の確立をめざして歩み続けています。しかしながら北韓は、そのどちらにも背を向けています。だけでなく麻薬、にせドルという害悪をまき散らしています。これでは世界の信任を得るにはほど遠いと言わざるを得ません。

 北韓の国家的犯罪行為が日本で報じられるたびに、在日同胞は胸を掻きむしられる思いをしてきました。海外公民を認じる朝鮮総連の傘下同胞は、北韓の行為をどのように思っているのでしょうか。

 在日同胞が日本社会で正々堂々と生きていく上でも、世界に例を見ない犯罪国家を断固糾弾しなければなりません。

(2000.02.23 民団新聞)



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