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「歴史伝える運動」を展開へ

青年会、新会長に金昌敏さん



「歴史伝える運動」などの
新年度活動方針を決めた
青年会の大会

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地域で掘り起こし
W杯架け橋事業も本格始動

 在日韓国青年会の第21回定期中央大会が19、20の両日、韓国中央会館で開かれ、新会長に金昌敏氏(32・前副会長)を満場一致で選出した。また在日同胞が生きてきた生活史を残す「歴史を伝える運動」を全国規模で展開していくことや2002年W杯の成功に向けて「韓日の架け橋事業」などの活動方針を採択した。

 定期大会には全国の青年会幹部ら120余人が参席、昨年度の活動報告、決算および新年度の活動方針、予算などを決めた。

 昨年度の活動では特に、地方参政権獲得運動を全国巡回しながら日本市民に訴えたことがあげられた。また2002年W杯についても日本市民への認知を広げたことが報告された。

 崔喜燮会長は大会に当たって「建設的な論議を重ねて皆で方針を作ろう」と訴えた。また民団中央本部の辛容祥団長も「次代を担う青年組織に情熱を持って活動を」と激励しながら「民団社会がどうあるべきかを考えてほしい」と述べた。また李順載青商連合会会長も激励辞を述べた。

 任期満了に伴う役員改選では金新会長のほか、代表監査に李純午前監査が選ばれた。また副会長に李成鍾福岡本部会長が任命された。その他の役員については会長、代表監査に一任された。

 金新会長は就任に当たって「点々と孤立分散している青年たちを線で結んでいこう。次代に残せるものを」と訴えた。


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新会長の金昌敏さん

歴史運動・「在日ルーツ残したい」

 昨年の活動を引き継ぎながら、今年度も(1)地方参政権獲得運動(2)W杯「韓日架け橋事業」―を積極的に推進していく方針が採択された。参政権運動では、各地方で学習会を開催していく一方、獲得後の動きなどについても論議を深めていく。またW杯事業では、韓日の架け橋の役割を担うために、日本の開催自治体とのパイプづくり、通訳ボランティアの派遣なども視野に入れながら活動を展開していくことになった。

 今年度の新たな活動としては、在日同胞の生活史、ルーツを知るための「歴史を伝える運動」が取り上げられた。同運動は、どのような経路で一世たちが日本に渡り、定着していったかを、各地域ごとに掘り起こして記録するもの。

 生活に根ざした地域の歴史を掘り起こすことによって、在日同胞の定住性の深度を明らかにする。地域産業の構成員として深く関わり、長い定住の歴史を明確にすることにより、地方参政権付与の必然性を訴えていく。また、代を次ぐにつれて薄れていく同胞の民族性について、ルーツを明らかにすることで確立していきたいという。在日同胞が各地域にどうして根付いていったのか、どのような産業に携わったのかなど、いわば地域同胞史ともいえる形で記録を残すという。

 金会長は「一世を直接知っているのは三世まで。同胞が歩んできた道にスポットを当てたい」という。

(2000.02.23 民団新聞)



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