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「バーガーキング」が国籍差別

バイト募集で同胞3世を拒否



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職業選択の自由、どこに

 【神奈川】フアースト・フード店「バーガーキング新横浜店」(小平富夫店長、株式会社西部商事運営)が、アルバイト採用にあたって、応募してきた在日同胞三世高校生を国籍で拒否していたことが明らかになった。事態を重く見た神奈川県高等学校教職員組合(竹田邦明執行委員長)と「かながわみんとうれん」(共同代表=大石文雄・金秀一)では、同社代表との間で再発防止に向けた話し合いを重ねている。

 アルバイト採用を拒否されたのは県立大師高校3年生のC君。C君はニュージーランド留学を前に学費の足しにしようと、昨年12月、新聞広告を見てバーガーキング新横浜店のアルバイト採用に応募した。


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管理会社の管理責任も浮き彫りに

 面接担当者は、朝7時から夜まで勤務可能というC君のやる気満々の姿勢を評価した。ただ、外国人採用は初めてだったため「永住権を持つ在日三世」と断ったうえ、小平富夫店長に決裁を仰いだ。

 小平店長は「とっさの判断ができず」本部に照会した。本部は、なぜかビザや言葉の問題を聞いたうえで「問題ない」との返事。にもかかわらず、小平店長の出した結論は「ノー」だった。

 2日の第2回事実確認会席上、小平店長は「永住権のある在日韓国人でも書類やビザの問題が生じ、手続きが面倒だとの思い込みがあった」と採用拒否に至った理由を述べた。本部に判断を求めたのも「外国人が職場に入れば何らかの問題が起きるとの不安があったので、できれば避けたいとの気持ち」からだったという。

 一方、本部がこの日明らかにした研修マニュアルでは明確に国籍差別を禁止しているわけでなく、あらためて会社側の管理責任が浮き彫りとなっている。

 C君は「17年間生きてきて、初めて差別を味わった。後輩に同じような思いを味あわせたくないから問題提起した。これからも本名で、在日韓国人としての誇りを持って生きたい。そういう環境を大人たちがつくってほしい」と話している。

(2000.03.08 民団新聞)



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