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改正外登法、4月から施行

指紋制度全廃、切り替え期間7年に



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常時携帯廃止の要望は反映されず

 昨年の通常国会で一部改定された外国人登録法(外登法)が、4月1日から施行される運びとなった。

 今回の改定で、非永住者の指紋押捺義務が無くなり、指紋制度そのものが全廃となった点は、民団を中心とした80年代以降の改正運動の成果であるとして一定の評価ができる半面、遅きに失した感は否めない。

 一方、特別永住者が外登証の常時携帯義務に違反した場合の罰則が、現行の刑事罰から行政罰に軽減されるものの、常時携帯制度自体の廃止を主張してきた民団の要望にそぐわないものであり、課題を残したままとなった。

 また一定の制限があるとは言え、新設された登録原票開示規定は、プライバシー保護の観点から新たな問題が生じる可能性をはらむものであり、予断を許さない。


 ◇  ◆  ◇


外登法の改定内容は以下の通り。

(1)指紋押捺制度の廃止

○非永住者に対する指紋押捺制度が廃止され、永住者及び特別永住者と同様の署名と家族事項登録制度に移行される。

○永住者及び特別永住者の指紋押捺は、すでに92年に廃止されており、また1年未満の在留者には元々、押捺義務が無いので、指紋押捺制度そのものが全廃となる。


(2)罰則規定の軽減

○特別永住者が、外国人登録証の常時携帯義務に違反した場合の罰則が、現行の「20万円以下の罰金(刑事罰)」から「10万円以下の過料(行政罰)」に軽減される。


(3)登録事項の一部削減

○永住者及び特別永住者に限り、現在必要とされている20項目の登録事項中、「職業」と「勤務所または事務所の名称及び所在地」が削減される。


(4)切替期間の伸長

○永住者及び特別永住者については、次回の外国人登録証の切替交付申請までの期間が、現行の「5回目の誕生日」から「7回目の誕生日」に伸長される。


(5)代理申請範囲の拡大

○外国人登録証の交付を伴わない記載事項の変更申請(居住地・在留資格・在留期間等)については、同居親族(内縁の配偶者を含み16歳未満を除く)まで、代理申請の範囲が拡大される。(委任状は必要なし)


(6)登録原票開示規定の新設

○現在、非公開の登録原票について、今後も原則として非公開とされるものの、一定の範囲で登録原票内容の開示を認める規定が新設される。

○この規定の新設に伴い、これまでの「登録済証明書」が発展的に無くなり「登録原票記載事項証明書」に替わる。

○外国人本人、その代理人または同居親族(内縁の配偶者を含み16歳未満を除く)は、登録原票の写し、または「登録原票記載事項証明書」の交付を請求できるようになる。(但し、代理人の場合は委任状が必要)

○国の機関または地方公共団体、弁護士、その他法令で定める者は、法律の定める事務または業務の遂行に必要があると認められる場合、「登録原票記載事項証明書」の交付を請求できるようになる。

○但し、外国人本人以外は、請求する理由を明らかにしなければならない。

○また、国の機関、地方公共団体、弁護士、その他法令で定める者が開示できる項目は、住民票の記載事項と対応する範囲に限られる。(氏名・生年月日・性別・国籍・国籍国における住所・居住地・世帯主の氏名・世帯主との間柄の8項目)


(7)特別永住の特例認定

○外登法の改定に関連して「入管特例法」の一部が改定され、協定永住者が再入国許可を受けることなく出国した後、再び在留することとなり、永住者(一般永住)の資格を持つに至った時は、特別永住者とみなされることになる。

(2000.03.15 民団新聞)



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