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「イメージアップ図る」

新三機関長が会見で表明



記者会見で抱負などを述べる新三機関長
(左から、姜永祐議長、金宰淑団長、洪性仁監察委員長)

 金宰淑団長をはじめ、姜永祐議長、洪性仁監察委員長の新三機関長は24日午後5時半から、都内のホテルで記者会見を行い、抱負などを述べた。

 金団長は、「時代の転換期に重責を担うことになり責任の重さを痛感している。21世紀に向けて、新しい組織作りと民団のイメージアップに尽力したい。そのためにも全国のみなさんには色々な角度で協力を願いたい」と新しい時代の民団づくりを強調した。

 金宰淑団長をはじめ、新三機関長の会見内容は次の通り。

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金宰淑・団長

◇◆二・三世に開かれた組織に

■大差での当選

 地方を巡回して感じたことだが、「過去の風潮のままでは民団はだめになる」という、特に二世地方幹部らの意識の高さを強く感じた。

 各地方ともそういう意味でも良識ある代議員たちの勝利とも言える。今回の選挙によって、まじめな人が、また、若い人たちが自信を持って参加できる契機になった。

 これは、民団が大きく変わっていくための大きな成果でもあったと思う。


■地方参政権

 「20世紀中に獲得する」と言ったのは、「1日も早くという」意味であり、まず獲得できるものを確実につかむことが大切。そのためにも、地方参政権獲得運動は飛躍しすぎず、現実に合った政策が大切だと言いたい。大切な運動だからこそ、慎重に一歩一歩前進させていくべきだ。


◇◆段階的に朝鮮総連と交流

■総連との交流

 91年の千葉世界卓球で南北単一チームが出場したときに総連と「共同歓迎・応援団」を構成した。その時に継続して交流を行うための「常設機構」の設置を呼びかけたが、総連からは返答がなかった。

 朝鮮総連との交流については、飛躍しすぎた提案をして「絵に描いた〓」に終わってはならず、小さな事でも実りある交流を進めていくことが望ましい。そのためにも、相手側が受け入れられるような現実に見合った提案で、段階的に交流を進めていきたい。


◇◆「21世紀委」で将来像確立

■21世紀へのビジョン

 現在の民団は二・三世たちから「体質的に入りにくい」との指摘を多く聞いた。若い世代や女性団員らが何を望んでいるのかを把握し、自由に話し合いができる雰囲気作りを高め、開かれ、誰もが参加できる民団に変えていきたい。

 そのためにも在日同胞の優秀な知的力量を各界各層から集め、「21世紀委員会」を構成し、同胞社会の現状調査・研究を通じて、将来像のビジョンを確立したい。もちろん財政問題も含めた収益事業の研究・開発にも力を注ぐ。


■組織の活性化

 全国団員の基本調査を実施しデーターベース化する。そして、全国組織のネットワークを構築し、これを組織的な資源として有効活用していきたい。さらに幹部研修、中でも組織の裾野である支部幹部研修を強化し、活動者育成と支部活性化を図っていきたい。


◇◆W杯を機に共生の基盤を

■2002W杯後援事業

 まさに天が与えたチャンス。在日同胞が韓日の架け橋的役割を果たしていくための存在であることを在日同胞一人ひとりが自覚してほしい。

 韓日民間レベルの交流を拡大し、開催地を中心に日本人との共同活動を展開しながら、日本社会と在日同胞との共生・共栄の基盤を固めたい。

 そして、日本政府がこの機会を通じて過去に対する形式的でない本当の総括をしてくれることを願いたい。


■金融機関の再編

 在日同胞の血脈である韓信協会員信組の生き残りのためにも1日も早く統合を成し遂げ、育成・強化していくことは真っ先に取り組むべき問題としてとらえている。

 韓信協とも話し合いをするつもりだが、一緒になって現実を考え、ざっくばらんに話し合える場を作ることが急がれる。そして、商工人も一般団員も、率直な意見を出し合い、ぶつかっていけば、再編・統合は必ず可能だと思う。


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姜永祐・議長

◇◆時代に見合った規約改編へ

 在日同胞社会と民団社会は変わりつつある。この変貌を視点におき、組織の性格や団員の要件など、時代に見合った在日同胞の求心体としての民団にしていくため、規約の改正作業をしていく。

 これは、全国のみなさんと勉強しながら新しい知識を結集し『規約委員会』を設けながら取り組みたい」と新しい民団への規約改正に着手することを述べながら、全国末端組織まで議決機関役員を集めた研修も実施したい。


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洪性仁・監察委員長

◇◆仕事師と言われるように

 (当選は)一票の重みを痛感した。これはすなわち仕事をせよという現れであり、代議員たちがイルクン(仕事師)を選んだと思う。

 同胞のために何ができるかを再認識し、中央本部が団員と共に歩むという姿を作っていきたい。金団長とは青年運動時代からの友人だ。しかし、今日までやってきた三権分立という民団の基本精神に乗っ取った仕事をしていきたい。

 その上で、委員会で決められた活動方針の遂行や今後の民団社会を作っていくために、三機関長が相互協力しあっていきたい。

(2000.03.29 民団新聞)



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