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京都韓国学校の生徒数

5年ぶりに100人台に



4月から部員か増え、公式戦初勝利をねらう
京都韓国学校高等部の硬式野球部

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高野連加盟が効果、全国津々浦々から入学

 【京都】慢性的な生徒不足から1時は高等科存続の危機さえ伝えられていた京都韓国学園(京都市東山区、王清一理事長・李虎雄校長)にここ数年、活性化の兆しが見え始めている。99年度から始まった内部改革努力が地域同胞社会に浸透してきたことに加え、高野連加盟で甲子園出場に夢を託せるようになったことが大きい。4月からは中学校と高等科合わせて46人が入学、在籍生徒数は5年ぶりに100人台に回復する。

 京都韓国学園の在籍生徒は最盛期の1988年度に179人を数えた。ところが91年度からマイナスに転じ、95年度は105人にまで減少した。中学校を卒業してそのままほかの高校に流れる傾向も目立ち、1時は高等科の存続そのものが危ぶまれる事態に至った。

 危機感を持った民団京都府本部(李愚京団長)では、京都韓学への入学希望者を一人でも増やそうと、97年に「土曜学校」を開設した。京都韓学卒業生らでつくるPTA「師親会」でも、オリニの送迎で陰ながら「土曜学校」を支えてきた。

 地域社会の支援ムードの盛り上がりは、京都韓学の生徒数増加に結びついている。今年は4人の「土曜学校」参加者が、京都韓学に入学する。これも民団と学校との協力関係があったればこそといえよう。李虎雄校長は「オリニ土曜学校はこれからも続けてほしい」と期待を寄せている。

 一方、硬式野球部の高野連加盟が実現したこともあり、甲子園出場を夢みて北海道、鳥取、大阪の各地少年野球チームで活躍する生徒8人が、4月から京都韓学に入学してくる。

 北海道滝川市の江陵中学校で野球クラブに入っていた新入生は、昨年9月には京都韓学に進もうと思っていたという。両親も快く賛成してくれた。大阪市内の少年野球チーム「生野ファイターズ」で活躍していた金紀之君は、「自分のやりたいことが楽しくできるので」と入学を決意した。

 これで野球部員は20人に迫る。実力もアップすると見られることから、地区予選での悲願の一勝も今年中には現実のものとなりそうだ。硬式野球部創設の立て役者の一人、金安一副理事長は「これまで二ケタの得点を入れられての負けが続いてきたが、府大会も夢ではなくなった」と新戦力に期待をかけている。

 2002年3月までには、高校1年生を対象に99年から新設した特進コースとコンピュータークラスの成果がどうだったかがわかる。

 その成果によっては、生徒数はさらに伸びるとみられる。李校長は、将来的に「300人にしていきたい」と心ひそかに期している。

(2000.03.29 民団新聞)



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