民団新聞 MINDAN
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南北首脳会談の合意

在日同胞も歓迎表明



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民族の将来に歴史的な意義

 分断以後、初の南北首脳による会談が6月に開かれることから南北当局の発表に対して、在日同胞各界も大きな期待を寄せる声が相次いでいる。


「民族共同体」の実現を望む

 姜在彦さん(74)=大阪・花園大学講師= 中国、ソ連から思ったような援助を受けられず、朝日交渉も早急な妥結を望めない以上、北韓としても韓国から援助を受けるしか選択肢が無かったのだろう。ベルリン宣言が功を奏したかっこうだ。総連としても組織的に行き詰まっているいまの現状を打開するためには、選択肢は限られているはずだ。民団との間で首脳会談を実現させ、「民族共同体」をつくるべきだ。地方参政権を含めて民族的権利の問題を話し合うことこそ在日同胞社会全体の要求であり、願いでもある。


包容政策の実質的入り口

 高桂煥さん(62)=朝鮮奨学会代表理事、平和統一諮問委員=

 まず金大統領が平壌に出かけていくことがすばらしい。まさに南北対話を実現させようとする姿勢の表れと言える。東アジアの平和と安定、そして民族の将来にとっても大きな意義がある。金大統領がこの間継続して続けてきた包容政策の実質的な入り口とも言えよう。今回の首脳会談では相手に韓国政府を信頼させることがまず必要だろう。今回の首脳会談を心から歓迎する。


今後の推移を冷静に見守る

 崔洋一さん(50)=東京・映画監督=

 歓迎だが、まだ熱を込めてよかったという気持ちにはなれない。このことが、かつての7・4共同声明のときのように、両国にとって国内政治のある種の前提、ないしは象徴となっては困るとの思いからだ。南北首脳会談イコール統一と、短絡して考えるべきではないだろう。ぼくとしては今後の推移を期待を込めつつも、クールに見守りたい。


在日同胞も統一担うべき

 白洪天さん(52)=ホワイトダンスプロジェクト主宰=

 94年に予定されていた金泳三大統領と金日成主席の南北会談によって統一につながると期待したが、金主席の死去で霧散し、がく然としたことがある。統一に向けて南北が模索する中、在日同胞も祖国の統一問題を傍観せずに、民団、総連、中立を問わず、手に手を取り合って、自分の問題としてとらえ、統一を担うべきだ。


半信半疑だが実現期待する

 朴聖姫さん=東京・シャンソン歌手=

 南北間の取り決めには期待と落胆を繰り返させられてきただけににわかには、大拍手を送りたくてもためらう気持ちは否めない。今回の合意は、金大中大統領の熱意と北の現実感覚が一致したのだろうか。6月12日までに準備がスムースに行われ、会談が実施されること、そして、長い道のりではあったが、希望を捨てずに北の開放政策と韓国の「懐の大きさ」の実現に期待したい。


同胞のサッカー交流拡大に期待

 丁海遊さん(57)=愛知・在日大韓蹴球協会会長=

 在日蹴球協会ではすでに総連のサッカー界と徐々に交流を展開していた。その意味でも本会では、朝鮮籍同胞にも門戸を広げて『在日大韓蹴球団』の結成を進めている。2002年のワールドカップもあり、今後さらに在日同胞の南北サッカー交流が広がっていくものと期待している。

(2000.04.12 民団新聞)



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