金正日総書記 |
金大中大統領 |
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分断から半世紀、「包容政策」実る
金大中大統領と北韓の最高責任者、金正日北韓労働党総書記(国防委員長)による南北首脳会談が6月に実現することになった。韓国の朴在圭統一部長官は10日午前、政府中央庁舎・統一部会義室で記者会見を行い、金大統領が6月12日から14日まで平壌を訪問し、金総書記と歴史的な南北首脳会談を行うと発表した。
北韓も「特別重大放送」として公式メディアを通じ同時発表した。今月中に準備協議が行われ、具体的な会談内容を詰めていく。金大統領が就任以来一貫して推進してきた対北韓「包容(太陽)政策」に北韓側がこたえたもので、韓半島の緊張緩和と分断による相互不信解消、平和共存定着へ転換させる重大な転機となるものと見られ、内外同胞をはじめ世界から期待が寄せられている。
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会見する朴在圭長官 |
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「ベルリン宣言」に北韓が応じる
朴統一部長官によると、北韓は金大中大統領が3月9日に提議した政府レベルの経済支援拡大のための南北対話の呼びかけ(「ベルリン宣言」)にこたえ首脳会談に応じる意向を伝達。3月17日に上海で初めて南北当局者が接触した。その後数回にわたって北京で実務者による非公開協議を重ね、4月8日に韓国の朴智元・文化観光部長官と北側の宋浩京アジア太平洋平和委員会副委員長との間で最終的な合意がなされた。
手続き問題などを話し合うための予備会談を4月中に行うことでも合意した。
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20世紀最後の歴史的なページ
朴長官は「南北分断以来初めて開催される南北首脳会談は韓半島の平和と南北間協力および民族の将来を虚心坦懐に論議する契機となる」とし、「対決の冷戦秩序を終息させ和解と協力の新たな歴史が切り開かれる出発点となり、南北分断の歴史に大きな一ページを書き込む」と期待を込めた。
また、朴長官は「この間韓国は南北首脳会談を開く用意があることを機会あるごとに明示してきた」とし、「また、既存のチャンネルのほか様々な経路を通じて南北当局者間の対話を呼びかけてきた」と強調した。
さらに、「首脳会談開催にこぎつけたのは、韓国政府が忍耐と一貫性を持ち『包容政策』が推進できるよう、国民が支持し、力を合わせてきてくれたおかげだ」とも述べた。
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議題は予備会談で詰め
首脳会談での議題について、朴長官は「4月中に南北各3、4人の代表が議題や今後の手続きなどについて協議する」と述べた。
南北首脳会談は94年7月25日から27日までに当時の金泳三大統領と故金日成主席が平壌で行うことになっていたが、金主席が直前に死去したため、北側が延期の申し入れをしたままになっていた。
(2000.04.12 民団新聞)
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