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日本の中・高校海外修学旅行

韓国がトップを独走



韓国への修学旅行は年間4万人台
にまで増加した
(写真は修学旅行の民俗村で
民族衣装を楽しむ女子高校生)

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5年連続4万人台
伸び率横這い、青少年交流課題に

 昨年度中に日本から韓国へ修学旅行に訪れた学校は250校4万2972人で95年以来5年連続で4万人台を確保した。行き先別で、韓国トップの座は揺らいでいない。しかし、数年間韓国修学旅行を実施した学校の中には新しい目的地開発への希望も増えており、伸びとしては横バイが続いている。

 韓国観光公社などの集計によれば、99年度中に韓国への修学旅行を実施した中・高校は、公立163校、市立87校の合わせて250校だった。前年対比では学校数が14校減り、生徒数そのものでは2・8%の微増だった。

 ここ数年の推移を見てみると、韓国は96年の258校4万4395人をピークにほぼ横バイが続いている。逆に中国は97年度以来、増加傾向が続き、韓国の将来のライバルとなりつつある。昨年度は171校から3万4722人が修学旅行に訪れた。

 日本修学旅行協会の調べによれば、韓国への修学旅行を初めて実施した学校はジ賀県と宮崎県の二つの私立高校。72年のことだった。84年には北九州市の小倉商業高校が公立高校としては初めて訪韓、ソウル五輪を契機に89年以降は200校を超え、3万人以上の高校生が韓国を訪れるようになった。

 韓国が海外修学旅行先として人気を集めてきたのは近距離、低料金による経済的メリットだ。費用は平均四泊5日で10円程度と、国内旅行と変わらない。安全性、宿泊施設でも優れており、伝統文化理解、国際理解という教育的効果も大きい。

 しかし、従来の「観光地周遊型」に頼っている限りは、これからの飛躍的な伸びは期待できないと言われている。これからは活動プログラムの多様化、なかでも青少年の相互交流が大きな課題として浮上しつつある。

 大阪府では95年から公立高校の海外修学旅行での航空機使用が認められ、国際教養科のある九校が韓国及び中国への海外修学旅行の対象国となった。このうち3校が97年、韓国への修学旅行を実施した。府立桃谷高校は月、3泊4日の日程でソウルとその近郊を回った。日程には名所・旧跡の見学だけでなく、大田市のハンバッハ女子商業高校との交流を組み込んだ。

 アンケート結果をみると、生徒間交流が「最も印象に残った」と答えているのは示唆的だ。

 観光公社でも、日本と韓国との高校生交流を深めるため、韓国の高校訪問や交歓会の開催、姉妹校提携の推進などを積極的に推進していくよう韓国政府に働きかけていく考えだ。

(2000.04.12 民団新聞)



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