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機動力生かし団員サービス

神奈川が「移動民団車」で団員宅訪問へ



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領事業務から子育てまで相談に
今秋から、全団員宅を巡回

 【神奈川】団員にとってより身近で頼りとされる組織を目指して、民団神奈川県本部(黄昌柱団長)が、今年度後半期から管内に「移動民団(宣伝車)」を配置する。機動力を活かして団員宅を戸別訪問、団員から希望や悩みを聞くなどして「面倒見のいい民団」をアピールしていく考えだ。今年度はまず1台を投入、効果を把握しながら宣伝車を増やし、3年間で7000世帯全団員宅を一巡していくことを目標としている。

 「移動民団(宣伝車)」構想は、4月に開かれた第40回地方委員会で同本部の2000年度活動方針として採択された。起案にあたった財政委員会(金仁守委員長)によれば、団員のことを常に考えるという「極めて基本的な問題認識」が出発点だった。

 団員宅への戸別訪問はともすると団費徴収の時に限られがちだが、民団神奈川本部の発想はまったく逆。いかに団員との絆を太いものにできるか。そのためのサービスはどうあるべきかを考えたのが出発点となっている。重点となる対象はこれまで民団に足を運んだことのないような代替わり世代だ。

 宣伝車には団員のデータを入力したコンピュータ機材を一式積み、本部のホストコンピュータと結んで簡単な領事業務はその場で代行してしまう。

 例えばパスポート申請業務、結婚したばかりの若夫婦であれば婚姻届け、就籍手続きなどは民団事務所に足を運ばなくても済むようになる。そのほか、子育て真っ最中の若夫婦からは、子育ての悩みにも耳を傾けるという。

 スタッフには常勤職員ばかりか非常勤の若手中堅幹部にも加わってもらい、意識改革と組織訓練の場としても活用していく。全体では4、5人規模になりそうだ。過疎地では一週間程度集中することも考え、車は寝泊まりできるようなキャンピングカーのようなものを新規購入する方針。

 民団神奈川では、新団長就任などの際に団員宅を戸別訪問してきたが、これだけ組織的、かつ持続的に取り組むのは珍しいという。安享均事務局長は「地味なようだがいまこそ必要な作業。待ちの姿勢でなく、攻めていくことで民団に対するイメージを変えていきたい」と話している。

 同時に、団員サービスの一環として共済システム「無窮花ネットワーク」への加入も呼びかけていく。これは、年間掛け金1000円でいざというときは10万円の弔慰金を支払う制度で、すでに400人(3月末日現在)が加入している。

 同本部ではこれから半年間の準備期間を経て、9月か10月にはスタートさせたい考えだ。試行錯誤を重ねながら来年度は2台で軌道に乗せ、3年目までには全7000世帯を一巡以上できたらと意気込んでいる。

(2000.05.10 民団新聞)



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