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6・25動乱50周年記念式典で金大中大統領演説

南北軍事委員会設置を呼びかけ



 金大中大統領は二十五日、ソウル市内の戦争記念館で開かれた「六・二五戦争五十周年記念式典」での演説で「南北の平和共存と平和交流、そして統一に向かって一歩一歩着実に進むことで相当な理解ができた」と南北首脳会談の成果を強調。「南と北は、北韓が提示した低い段階の連邦制とわれわれの南北連合制を持ち寄り、今後も協議していくことにした。南北双方は今後とも民族的熱意と誠意を尽くし、双方ともに受け入れられる段階的な統一方法を打ち出していくものと確信している」と明らかにした。

 金大統領は、同時に「今後(南北間に)軍事委員会を設置し、緊張緩和や不可侵など平和のための措置について、積極的に協議していく」と表明、北韓側に委員会設置への協力を呼びかけた。軍事委員会は、一九九二年に発効した「南北基本合意書」(南北間の和解と不可侵及び交流・協力に関する合意書)に「軍事共同委員会」として盛り込まれており、軍事演習の通報、段階的な軍縮の実現など緊張緩和策を協議するとされていたが、委員会は設置されず今日に至っている。

 また、金大統領は「完全な統一が成し遂げられ、平和が確実に保障されるときまで、われわれは決して緊張感をゆるめてはならない。確固たる安保を今後も維持すべきであり、確固とした安保体制だけが平和を保障できる」と強調。駐韓米軍について「韓半島に完全な平和体制が構築されるまではもちろん、統一後にも東北アジアの勢力均衡のために必要なことを、はっきりと北側に説明した。北側も駐韓米軍の必要性に関する私の説明に相当な理解を示した」と明らかにした。そして、「韓国と日本にいる米軍が撤収すれば、東アジア・太平洋の安全にも支障をもたらす」と指摘、「われわれは国益のために駐韓米軍が駐留を継続することを望む」と明言した。

 南北首脳会談で合意をみた南北離散家族再会について、「あまりにも遅れたが、今からでも実現されることは幸いと考え、すべての離散家族が再会の喜びを分かち合えるよう最善を尽くしたい」と力説した。

 「六・二五戦争」(五〇年六月〜五三年七月)については「単純に韓国だけを共産化しようというものではなかった。スターリンの目的は当時、弱体だった日本を含むアジア太平洋地域の共産支配のための陰謀にあった」と述べ、「北韓の責任」には触れなかった。

(2000.6.28 民団新聞)



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