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農楽で児童に“韓国理解”

民団三重の韓久事務局長が
塩浜小学校の非常勤講師に



塩浜小の児童に農楽を指導する韓局長(左)

 【三重】毎年の運動会で約五十人の児童が農楽を披露し、地域でも人気を集めている四日市市の塩浜小学校(伊藤信雄校長)に、このほど民団三重県本部(姜勝煕団長)の韓久・事務局長(39)が非常勤講師として招かれ、児童たちに韓国理解や農楽を教えている。韓局長は地域社会と在日同胞、民団との親密な交流を目指して毎週金曜日に教壇に立っている。

 韓局長が受け持つのは高学年(四年から六年)を対象にした「ハングルクラブ」。六月中旬からスタートし、来年三月まで続けられる。

 同クラブは高学年児童が自主選択するもので、在日同胞児童も含めて二十余人が参加している。

 六月から毎週金曜に開かれ、ハングルの基本、会話、韓国料理づくり、伝統遊びなど韓国への理解を深める内容となっている。また韓局長が多方面で指導に当たっているサムルノリなど伝統楽器の腕を生かした農楽の演奏にも、同クラブ担当の秦彰子、津田洋子の両教諭と共に取り組んでいる。

 同小学校がある塩浜地区は古くから同胞が密集して居住していた所。創立百二十四年を迎えた同小にも在日同胞の子弟が多く在学しており、十五年前に四日市市から在日同胞子弟への取り組みを委託されてきた。

 九〇年には、韓国語だけでなく韓国理解を促す「ハングルクラブ」が設けられ、またPTAと共催で在日同胞の保護者を招いて韓国料理などの講習を取り入れた「オモニの会」も年二回開催されてきた。

 児童の国際理振興の一環として九年前から運動会に農楽を取り入れてきた。韓局長は当初から児童への指導に当たるなど同校の韓国理解増進に対応してきた。これまで、ボランティアとして農楽の指導に当たってきたが、農楽が児童の間にすっかり定着する中で、「ハングルクラブ」の担当として韓局長が非常勤講師に招請された。

 クラブの授業を受け持つかたわら、もちろん九月十七日の運動会に向けた農楽の練習もこなしていく。

 韓局長は「うれしいこと。本当に韓国や在日韓国人への理解を深めるには小学生のうちから。児童たちは農楽を楽しいと言ってくれる。まず楽しい農楽を取り入れて児童に韓国や在日同胞に親しみを持ってもらいたい」と意欲を燃やしている。

 福島好美教頭も長年の取り組みを振り返りながら「児童のより豊かな国際理解に向けたクラブになって欲しい」と期待しているという。

(2000.6.28 民団新聞)



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