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念願の金剛山ツアー



 「最後の秘境」といわれる金剛山観光が、正式に解禁となった。これまでは韓国人であっても国内居住者に限られていたため、日本人はもとより在日同胞も対象外だった。ツアー開始以来約2年、日本発がようやく実現することになる。

 都内で旅行会社を営む金珍寧さんは、日本発の実現を誰よりも喜んでいる一人だ。いち早く昨年3月、社内に「金剛山観光案内センター」を設け、観光客の掘り起こしに努めてきた。反響は予想以上に大きく、仮予約は在日同胞一世を中心に約600人に達したという。早ければ5月、遅くとも7月にはゴーサインが出るものと考えて準備してきた。

 しかし、セン水艦事件などの思わぬアクシデントに遭い、1時はとん挫した。ようやく9月に日本からの第一船が出ることになったが、これも北韓側が日本人観光客の受け入れに難色を示したため中止に追い込まれた。はたから見れば、二転三転する北韓側の対応に振り回されているとしか見えなかった。

 これに対して金さんは「うよ曲折はつきもの。必ず実現しますよ」といつもの人なつこい笑顔を崩すことはなかった。

 日本で旅行社を始めたのももとはといえば、南北の平和と交流を民間レベルで後押ししできないかという願いからだった。モスクワ五輪の年に旧ソ連、アジア競技大会の際には中国と、国交のない国々に果敢にアタックしてきた。そして最終的な目標としてきたのが北韓だった。

 第一陣は10月20日、成田から釜山に飛び、「現代楓岳号」で金剛山に向かう三泊4日のツアーになる。「一緒に行きませんか」。電話口の向こうに金さんのとびきり人なつこい笑顔が浮かんだ。(P)

(2000.08.30 民団新聞)



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