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民団・総連、近く正式対話開始

民団提議に総連呼応



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総連中央副議長らが民団訪問
中央レベル協議機構設置

 6月の金大中大統領と金正日国防委員長による南北首脳会談の成功を受け、民団では内外の記者を集めた会見の席上で、在日同胞社会の和合と交流に向けた話し合いを朝鮮総連(総連)に持ちかけていたが、ようやく民団の提議に総連が呼応した。8月24日、総連中央本部の幹部3人が提議書を持ち民団中央本部を訪問。これを民団中央が受け取り、総連との話し合いに正式に応じることを明らかにした。

 この日、朝鮮総連中央本部から南昇祐副議長、梁寿正・国際統一局長、劉相植同副局長が民団中央本部を訪問、民団中央では朴性祐・平和統一推進委員長をはじめ、具文浩副団長、河政男組織局長、丁栄哲同副局長らが応対した。

 民団側は韓徳銖総連中央議長名義の金宰淑団長あての提議書を受け取り、近く総連との話し合いに正式に応じると明らかにした。

 提議書では(1)南北共同宣言を支持・履行する共同集会の開催(2)在日同胞の生活安定と民族的権利擁護へ共同作業展開(3)在日同胞の民族性継承への事業を共同論議(4)民団と総連、中央本部レベルの協議機構設置―の4項目を呼びかけている。

 席上、南副議長は「われわれの民団訪問を即刻受けていただきありがたい」とした上で、「南北首脳会談での共同宣言には双方とも歓迎を表している。今度はわれわれ在日同胞も変わっていくべきであり、話し合いを続けていきましょう」とし、提議書を手渡した。

 これに対し、朴性祐委員長は「一過性でなく持続的な協議機構が必要だ。そして私たちの子孫たちをがっかりさせないようにしよう」と答えた。

 具副団長も「困難なことがあっても互いに会い、虚心坦懐に対話していけば、解決の道が開ける。問題が起きたときだけ会うのではなく定期的に会いましょう」と呼びかけた。

 席上、双方は和やかに歓談、今後、頻繁に会い、対話していくことを確認、近く民団側が朝鮮総連中央本部を訪れることにした。

 民団では去る6月15日、歴史的な南北首脳会談の成功に即応し、在日同胞社会でも和合と交流を進めようと、総連あてに「何ら条件をつけず、虚心坦懐に話し合おう」と提議書を発表していたが、前向きな回答が得られなかった。

 しかし、神戸まつりの合同参加をはじめ、野遊会、囲碁大会、共同祝賀会、サッカーの交流試合など地方本部、支部、傘下団体や地域レベルでは、交流事業が進められていた。

 民団では、在日同胞社会の和合という大義と民団の提議書に総連が呼応したと判断、提議を受け入れた。

 民団中央では、8月中にも総連中央本部を訪問して正式に回答する予定だ。南北首脳会談から2カ月あまり経過して、ようやく在日同胞社会にも同胞和合の実質的な一歩が近づいてきたと言える。

 民団と総連の中央本部レベルの合同事業としては、91年の「千葉世界卓球選手権」で実現した南北単一チーム「コリア」に対する共同歓迎・応援団を史上初めて構成した実績がある。

 その後も民団側は、交流・和合の継続へ対話の場として「常設機構」を提案していた。だが、民団が推進する地方参政権運動に対して総連が反対の動きを示したため対話が途絶えていた。

(2000.08.30 民団新聞)



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