民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
待ち続けた半世紀…次は単一チームで

南北同時行進・在日同胞も熱い思いで見守る



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この動き、続いてほしい
蔡洙仁さん
(83・KOC名誉委員、在日大韓体育会名誉会長)

 ローマ五輪以来、五輪にかかわってきたが、五輪史上初の南北の同時入場行進はすばらしいこと。本当にいいことだと思う。応援でも南北が一緒に応援するなど感激した場面も多々あった。

 しかし、今回は入場行進だけで、競技はそれぞれの国旗を胸に付けて別々に行われることになった。今回は入場行進だけの「合同」だったが、統一の旗を付けて単一チームが構成されるようになれば、南北の交流が本物になる。在日のすべてが、この動きがずっと続いて欲しいと願っていることでしょう。


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南北交流の進展を実感
許寧太さん
(在日大韓体育会長)

 すばらしい入場行進で、感激した。オリンピックという大舞台で、お揃いのユニフォームで統一の「韓半島旗」を持って行進する南北の選手を見て、南北交流の進展を実感した。

 「スポーツに国境なし」、また同族としてこれからも和合と交流を進め、将来は単一チームとして出場できればと思う。  これを機会に、在日同胞のスポーツマンの交流も増やしていきたい。


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21世紀を南北和合の世紀に
鄭利光さん(58・在日大韓体育会関東本部会長)
(東京五輪に在日同胞として体操の韓国代表)

 すばらしいこと。『よかったよかった』と心をふるわせながらテレビ画面を見た。東京五輪の時は、南北選手が別々の宿舎に完全隔離(韓国選手団は代々木の選手村、北韓選手団は朝鮮大学)された状態だったため、会話すら出来なかった。

 時代は大きく変わったと痛感した。スポーツの世界には国境がないと言われているのにもかかわらず、南北韓の場合はあまりにも時間がかかりすぎた。

 これからでも遅くない。アジアカップサッカーや来年の大阪での世界卓球など今後の国際大会でも南北のスポーツ交流が大いに広まってほしい。

 南北合同行進が20世紀最後の年に実現したことは、歴史の大きな区切りになった。21世紀は南北和合と統一の世紀になってほしい。


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スタンドの大拍手に感激
呉崙柄さん
(55・東京、コブクソン子ども会代表)

 スポーツは特別好きなわけではないけれど、開会式だけは別。見ていてやはり、涙が出た。世界各国の観覧客がスタンドから賞賛の拍手を送っていたのも感激だった。

 南北双方の為政者は世界中から寄せられたこの思いをしっかり受け止め、和解と交流の道を進んでいってほしいと思う。われわれも南北の統一を願う海外同胞の立場から、在日が一つとなれるよう努力していきたい。


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うれしい半面、複雑な思い
成七龍さん
(30・神奈川、メディアコーディネーター)

 地元オーストラリア選手団がスタジアムに入場してきたとき以上に観客が総立ちで沸き立っているのを見てうれしい半面、複雑な思いがよぎった。

 在日同胞社会の和合と交流といえば、本国の動きに左右され、いつも後手に回ってきたからだ。このままでは在日が朝鮮半島の統一から取り残されるのではないか。

 在日は在日としてどう生きていくのか、在日としてどう本国に関わっていくべきなのか、雰囲気に流されず自らの頭で冷静になって考えていかなければ、在日に未来はないとあらためて思い知らされた。


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ひとつの民族、世界に示した
文章好さん
(37・UGビジネスクラブ事務局長)

史上最多の199カ国・地域が参加する今世紀最後の五輪開会式場で11万人が総立ちになって、南北朝鮮の同時入場を万雷の拍手で祝った。私はもちろん、多くの在日の人たちが大きな感動と喜びを禁じ得なかった。統一旗の下に手を取り合って行進する南北の選手たちの姿は、朝鮮半島は一つの民族であり、統一を熱望しているのだということを世界中に示した。

 これからが大事で、経済問題や離散家族の問題など解決しなければならないことが山積する中、在日においても同じ民族の一員として、統一に向けた主体的で迅速な行動が重要であると考える。

(2000.09.20 民団新聞)



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