民団新聞 MINDAN
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歴史に残る1ページ



 シドニーオリンピック最終種目の男子マラソンが1日、行われた。中継を見ながら「オリンピック観戦はライブ」に限ると思った瞬間に考えた。「はて?今回のオリンピックでライブの競技を観たのは何種目あったのか」

 例えば、今回からオリンピック種目に加えられた韓国のお家芸であるテコンドー。金メダルを狙える競技の一つとして、開催前から楽しみにしていたが、気がつけば「見逃して」いた。

 シドニーと日本の時差は2時間。仕事から帰宅する頃には試合はおろか、細切れのように紹介されるスポーツ番組の中でも韓国選手の勇者の姿を確認することができなかった。(毎晩、番組チェックをしなかった私も悪いのだが)。

 前回のアトランタでは、寝不足になりつつもオリンピックを見ている充実感もあったが、今回はその一体感が得られなかった。

 今回、韓国選手のメダル獲得に一喜一憂しながらも、最も感動したのは開会式での南北初の同時入場行進だったような気がする。「韓半島旗」に先導された両選手団が揃いのユニフォームを身にまとい、手を取り合って行進する姿に思わず身が震えた。

 国際オリンピック委員会のサマランチ会長は最後の閉会式となるあいさつで「韓国と北朝鮮の代表団が歴史的な行進で示したように、オリンピック休戦は現実のもの」と述べた。これはわれわれ在日同胞をはじめ、南北国民、いや世界の人々の記憶の中に確かに刻み込まれた歴史的な一頁として、忘れることのできないものとなるだろう。

 南北交流は第一歩を踏み出したばかりだ。焦らず急がず「和合と交流」を深めて欲しい。次の開催国、アテネで両選手の行進をライブで見たいから。(U)

(2000.10.05 民団新聞)



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