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朝鮮総連と多分野で交流へ

平統日本地域会議が確認



東京で開かれた、民主平和統一諮問会議の
第9期日本地域会議

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「6・15宣言」の精神生かし

 民主平和統一諮問会議(議長・金大中大統領)の第九期日本地域会議(日本地域協議会会長=金宰淑・民団中央本部団長)が4日、都内のホテルで開催され、「6・15南北共同宣言」を全面支持することを確認するとともに、朝鮮総連との対話と交流、共同事業を積極推進していくことを誓い合った。在日同胞の力を結集し、南北共同宣言の誠実な履行と実践のために、積極参与していくなど、統一推進への新たな決意を謳った決議文を採択した。

 会議には全国の諮問委員346人が参席。開会式は姜永祐委員(民団中央本部議長)の「諮問委員倫理綱領」朗読で始まり、本国の金ミンハ首席副議長、崔相龍駐日韓国大使らが激励のあいさつを述べた。


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世界史に残す偉大な民族に
金大中大統領がメッセージ

 金首席副議長は「在日同胞は過去半世紀、セマウル運動への参与をはじめソウル五輪募金など、様々な機会に一体となって母国発展に尽くしてきた。まさに世界同胞を率先してきた愛国者だ」としながら、「祖国統一にも、もちろん在日同胞のこのような率先した参与を期待している」と委員らを激励し、議長である金大中大統領のメッセージを朗読した。

 崔大使も「南北首脳会談の成功は世界史に刻む出来事だ。このように南北和解の気運が高まっている時期こそ、日本に住む在日同胞のみなさんも団結し、統一実現への先導的な参与をしてほしい」と述べた。

 会議で委員らは政府の統一政策推進状況、統一専門家による在日同胞の役割についての特別講演を聞いた後、3人の委員による統一政策推進に関する意見開陳が行われたが、ともに朝鮮総連との対話と交流を積極的に推進していこうと呼びかけた。

 会議では、(1)南北共同宣言の履行のための多方面の対話、接触、交流を全面支持する(2)南北離散家族の根本解決へ南北双方が人道的次元で全力投球することを促求する―など4項目の決議文を採択したほか、このほど復元工事が始まった京義線の支援のため、委員全員が1人当たり1万円の誠金を行うことも確認した。


諮問委員らは会議の最後に
統一への思いを込め
「ウリエ・ソウォン」を合唱した

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統一への願い込め
「ウリエ・ソウォン」合唱

 日本地域会議に対し、金大中大統領はメッセージを通じて「世界のどこに住んでいても民族的使命を忘れずに、和解と平和、統一と繁栄のために同胞の力を合わせてほしい」とし「その努力が実ったとき、世界史に刻む偉大な民族として評価されるだろう」と委員らの積極的な支援に期待を寄せた。

 日本地域協議会の金宰淑会長も「今後、朝鮮総連との対話と交流を通じて、祖国の平和定着と南北交流の力になる事業を、ともに論議していく」と民団と朝鮮総連の協調を訴え、北韓に対する支援問題も検討していくと示した。

 また、金会長は「在日同胞の権益擁護へ民団、総連が共同歩調を取っていき、21世紀の早い時期に在日同胞社会の統一を成し遂げ、新しい未来を開こう」と呼びかけた。


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「南北共同宣言」実践へ4項目決議

 金会長の進行で進められた本会議はまず、金秀東駐日総領事から統一政策推進に関する韓国政府の報告が行われたあと、尹正錫・中央大国際大学院院長による「南北和解・協力時代の在日同胞の役割」について特別講演を受けた。

 尹氏はこの中で、「民団と総連が力を合わせ、韓半島の状況を統一の道に誘導してほしい」と呼びかけた。

 この後、朴性祐委員(民団中央・平和統一推進委員長)、金敬得委員(民団中央・在日同胞21世紀委員会代表)、申恵淑委員(婦人会中央本部総務部長)の3人が意見を開陳。「在日同胞社会の和合と交流」「南北和解時代と21世紀の在日同胞の役割」「南北統一への女性の役割」について提言を行った。


金大中大統領のメッセージを
伝える金首席副議長

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意見発表で各委員、交流推進強調

 それぞれ、朝鮮総連との幅広い分野での交流推進や、南北離散家族再会のための面会所を民団と総連で建設する、などの提案が出された。

 この後、金首席副議長らとの質疑応答や意見交換が行われ洪性仁委員(民団中央本部監察委員長)から決議文が朗読され、委員満場一致の拍手で採択した。

 委員らは会議の最後に、祖国統一を願う歌として有名な「ウリエソウォン(われわれの願い)」を全員で合唱した。


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決議文(南北共同宣言実践のための決意)

 民族史に新たな地平を開く「6・15南北共同宣言」は、韓半島の平和と民族和解のシンボルとして21世紀の共存共栄時代を開花していく牽引車と確信し、南北首脳が合意した平和と和解・協力の大原則を積極支持歓迎する。  われわれは「南北共同宣言」の誠実な履行と実践が真の南北韓関係発展のために、何よりも重要であると認識を共にし、南北和解・協力のために主導的な努力を注いでいくことを固く誓い、以下の通り決意する。


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 一、「6・15南北共同宣言」を履行するための南北閣僚級会談の定例化をはじめ、離散家族訪問団の交換訪問事業など、南北間の協力課大と当面懸案の合意と実践努力を歓迎し、南北双方の多方面にわたる対話と接触、交流を全面支持する。

 一、京義線連結とブン山―開城間道路の開設は南北和解・協力時代を開く記念碑的事業であり、民族経済共同体の早期完成と韓半島が世界の中心軸として浮上する契機になるものと確信し、民族経済の均衡、発展のための汎民族的な参与努力へ積極的に先頭に立つ。

 一、韓半島から戦争の恐怖を追放し真の平和時代を開くための緊張緩和と信頼構築措置が1日も早く可視化する事を期待し、離散家族問題の根本的解決へ南北双方が人道的レベルで粘り強く努力していくことを促求する。

 一、南北首脳会談の精神を土台に、南北共同宣言が円滑に履行・実践されるよう、汎民族的力量の結集へ積極献身し、南北平和共存と民族共栄時代を開くための主導的な民族大和合努力と協力の先頭に立つことを固く誓う。

2000年10月4日
第九期民主平和統一諮問会議
日本地域会議参席諮問委員一同

(2000.10.05 民団新聞)



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