民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
兵庫県教育委員会

在日教育指針を策定



◆◇
民族の歴史や文化など、課外学習充実へ
地元同胞有志の働きかけで実現

 【兵庫】兵庫県教育委員会はこのほど「外国人児童生徒に関わる教育指針」を策定、県内のすべての公立学校に通知した。県が要綱で設置した「外国人県民懇話会」に参加していた民団と総連双方の代表らからの働きかけが実ったかっこう。都道府県レベルで教育指針(方針)を策定したのは大阪、奈良、広島、福岡、神奈川などに続いて兵庫が九番目になる。

 「指針」は(1)外国人児童生徒が自己実現を図るための支援(2)差別や偏見をなくそうとする意欲や態度の育成(3)共生の心の育成(4)学校における研修体制の確立ーの四つの「基本的考え方」で構成、それぞれに重点目標として留意すべきポイントを示している。

 具体的には、外国人児童生徒が在籍している学校では、課外活動などを通して民族の歴史や文化などにふれる学習機会を充実するよう求めている。同時に在日同胞子弟については、日本人生徒によるいわれのない偏見・差別を解消するために日本と韓半島との関係史の学習が欠かせないとの認識を示した。また、教職員については自らの人権意識の高揚に努めるよう要求している。

 県教委では地区別に巡回しながら教頭会を開催、指針策定に至った経緯と趣旨について説明している。また、来年1月には小・中学校の人権教育担当者を呼んでの研修を行い、末端まで徹底を図っていく方針だ。

 兵庫県ではいわれのない偏見のため、在日同胞子弟が本名を名乗りにくい状況があるとされる。近年はこれに加えて東南アジアなどから新規入国した外国籍住民の子弟が増えており、学校現場では対応に苦慮していた。

 県教委では、新規入国外国人の子弟を生徒として抱え、指導が充実している学校を抽出して関係協議会をつくり、指導論について協議していく方針。これから2年後を目指してまとめを出すことにいしている。

(2000.10.05 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ