民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
金大中大統領にノーベル平和賞

韓国人初、南北和解と人権に貢献



ノーベル平和賞発表の13日
青瓦台で喜びの笑顔を見せる
金大中大統領

■□
ノーベル賞委員会
民主化・対日改善も評価

 ノルウェーのノーベル賞委員会は13日、2000年のノーベル平和賞を韓国の金大中大統領(74)に授与すると発表した。韓国人のノーベル賞受賞は初めて。ノーベル賞委員会は授賞理由を「北韓との平和と和解、韓国と東アジアの民主主義と人権の発展への努力」とし、「日本との和解」もあげた。受賞決定に対し、米・日・中など各国の元首から「平和と自由を愛してきた最もふさわしい人物」と賞賛と祝いのメッセージが寄せられたほか、韓国では「韓半島を平和の地とするよう流れを変えた国民と指導者に対する国際的な評価」(民主党)、「歴史に残る偉大な指導者になるよう、韓半島の平和と国家発展のため、一層寄与するよう期待する」(ハンナラ党)など、与野党そろって祝賀の声明を発表した。授賞式は12月10日にオスロで行われる。賞金は九百万スウェーデン・クローナ(約1億円)。(「授賞理由」全文と「在日同胞の声」別掲)


■□
授賞式は12月10日、オスローで

 ノーベル賞委員会は「韓国と東アジアにおける民主化と人権に対する業績、とりわけ北韓との和解への業績」を授賞理由に挙げている。北韓を国際社会に導き出し、南北関係を「敵対」から「共存」に転換した金大統領のねばり強い努力を最大限に評価した。

 また受賞の理由では「北韓の指導者らの南北和解への貢献」にも言及、金大統領とともに韓半島和解の流れをつくった北韓の金正日国防委員長を評価した。

 ただ、北韓が米国からテロ支援国家の指定を受けているため、南北首脳会談の相手となった金正日国防委員長の同時受賞が難しいことから、今回の授賞は見送られるのではないかとの見方もあった。

 韓国政府筋は「金大統領の受賞は金国防委員長とともに受けたもの」と話しており、金大統領としては金国防委員長に配慮し、韓半島の緊張緩和の立役者2人の受賞だとして、今後の南北交流進展に導いていきたい考えだ。

 金大統領は1998年2月の就任直後から北韓に対する「包容政策」を一貫して推し進め、6月には平壌を訪問して金正日国防委員長と史上初の南北首脳会談を実現。南北の平和定着と統一推進をうたった「南北共同宣言」に署名し、韓半島の緊張緩和へ大きな流れをつくった。

 授賞理由には韓国の民主化についてもふれ、「強権支配の下で、生命の危険や長期間にわたる亡命生活にもかかわらず民主化運動の先頭に立った」と評価。大統領就任後は「民主的政府の確立、国内の和解と民主化の促進に努力し、韓国を世界の民主主義国家の一つに育て上げた」と高く評価した。

(2000.10.18 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ