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青年会の「歴史伝える運動」

3地区で聞き取り調査スタート



地域の古老を訪問し、
聞き取り調査をする青年会員

 【神奈川】在日同胞が生きてきた生活史を残そうと青年会が全国的に展開する「歴史を伝える運動」の三つのモデル地区で14日、聞き取り調査活動がスタートした。

 神奈川では、同胞多住地域の川崎市を選定し、同胞一世の戸別訪問・聞き取り調査を開始した。15日には川崎市浜町に住む最高齢者の91歳になるハラボジらを訪問、渡日の経緯や日本での労働状況などを聞いた。

 31歳の時に徴用で北海道の鉱山にわたり、一週間目に逃亡して沢ガニを食べながら人里まで逃げた経緯や本州に渡る際に日本兵に変装して憲兵の目を逃れた話に、聞き取る側の青年たちも驚いた表情だった。植民地時代から解放、現在まで一世が経験した苦労に三世の青年も「びっくりした。でもこの話を後世に伝えなければ」と話していた。

 青年会では、全国展開を前に神奈川、京都、福岡の三地区をモデル地区として選定した。3地区ではすでに、地域の同胞形成史に詳しい一世世代を選定しており、当面30人を調査対象に訪問する。直接面談して一世世代の証言を聞き取り調査する。

 神奈川では、同胞多住地域の川崎地区を調査する方針で、京都、福岡でも歴史性を持つ多住地域を選定して、12月末まで毎週土日を利用して一世を訪ねる。

(2000.10.18 民団新聞)



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