民団新聞 MINDAN
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在日へのメッセージ

若一光司(作家)



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本名キャンペーン展開中

 「阪神教育闘争50周年記念集会」の開催を機に、関西の教育関係者や有志が集まって「民族教育ネットワーク」を結成したのは、一昨年12月のことでした。

 法学者の金東勲さんや歴史家の朴鐘鳴さんらと共に私も共同代表を務める同ネットワークでは、在日韓国・朝鮮人らの民族教育権の確立を通して、より開かれた多民族・多文化共生社会を実現すべく、様々な活動を重ねてきましたが、この7月からは新たな重点取り組みとして、「本名キャンペーン」を展開中です。

 このキャンペーンは、在日韓国・朝鮮人をはじめとする民族的マイノリティへの理解の輪を広げるとともに、本名(民族名)を使用している人たちを応援し、かつ、これから本名を使おうとしている人たちを勇気づけようとするものです。

 具体的には、(1)連続セミナーの開催やホームページの開設、賛同への呼びかけなどを通して、本名(民族名)の意義や、日本名を強制した創氏改名の歴史などに対する理解や認識の必要性を、広く社会に訴える、(2)賛同署名(日本人1万名、在日1万名が当面の目標)をもとに、在日韓国・朝鮮人が不利益をこうむることなく自発的に本名(民族名)を使用できるような環境の整備に向けて、行政機関や企業等に働きかける…ことなどを計画しており、すでにいくつものプログラムが進行中です。

 私たちがこのようなキャンペーンを開始したのは、いまだに在日韓国・朝鮮人の九割近くが日本名を使用している、という不自然な現実を、在日と日本人双方の協力により、少しでも是正してゆきたいと考えたからです。

 また、そうした協力の過程で育まれる「共生の芽」こそが、平和で平等な社会を築く礎となることを、強く信ずるものです。

 幸い多くの賛同の声が寄せられていますが、関心(もしくはご意見でも結構です)がおありの方は、ぜひとも事務局(電話06-6731-6801)までご連絡下さいますように。

(2000.10.25 民団新聞)



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