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朝鮮奨学会100周年記念行事

古代史テーマにシンポ開催へ



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南北の専門家が出席
11/24 東京(朝日生命ホール)で

 今年、創立100周年を迎える朝鮮奨学会は11月24日に記念行事として東京の朝日生命ホールで「今よみがえる、東アジアの新発見」をテーマに、韓・朝・日の歴史、考古学者を招いて韓半島の古代史シンポジウムを開催する。韓国と北韓の学者が同席するのは初めてのこと。

 シンポジウムでは、韓国からは李元淳ソウル大名誉教授を引率団長に、前国立中央博物館館長の韓炳三東国大教授、李基東東国大教授が研究発表を行う。また、北韓からは社会科学院の鄭哲萬考古学研究所所長を引率団長に石光濬古代考古学研究室副教授、蔡泰亨歴史研究所渤海史研究室室長教授が来日する。日本からは西谷正・九州大学教授が研究発表する。


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歴史の共有へ一歩前進
双方の研究、"空白"埋める

 南北の研究者はこれまで、現地を訪れることができないために韓国では渤海や高句麗、北韓では新羅や百済の研究が進んでいなかった。特に渤海、高句麗に関しては日本でもほとんど論文や写真、図などの資料の入手が困難であった。今回はその分野の研究で一級の学者が来日するため、90年代以降の新しい研究が発表されるのではという期待が高まっている。

 朝鮮奨学会は、当時の朝鮮からの留学生支援のために1900年に発足。43年に財団法人となり、解放後、紆余曲折を経ながら57年に民団、総連双方同数の理事に日本人識者が協力して南北どちらにも偏らない新たな理事会が構成された。在日同胞の高・大・大学院生などへの奨学事業を展開しているが、これまでに延べ四万人の同胞学生に90億円の奨学金を給付してきた。

 100周年に当たって、民団系の高桂煥代表理事が「南北を結ぶ学術交流を」と呼びかけ、総連系の権碩鳳代表理事も賛同した。南北の認識が最も少ない分野として古代史が選ばれた。

 23日に東京・新宿の朝鮮奨学会で開かれた記者会見でも、高、権両代表理事らが「南北で自国の歴史の共有」を強調した。

 朝鮮奨学会では、記念すべきシンポとなるだけに、終了後に行われるヒルトンホテルでのレセプションでも、在日民族団体の代表者を招いて祝辞をもらいたいと考えている。

 シンポジウムは無料。申込は31日までに住所、氏名、年齢、職業、参加希望人数を明記の上、往復はがきで〒160−0023東京都新宿区西新宿1-8-1、(財)朝鮮奨学会「古代史シンポジウム」係へ。申込多数の場合は抽選となる。

(2000.10.25 民団新聞)



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