上映予定の韓国映画12本 |
ペパーミント
キャンディー |
10/21〜 |
キネカ大森 |
テアトル池袋 |
美術館の隣
の動物園 |
11月上旬予定 |
シネマ・カリテ |
11/4〜 |
渋谷東急3 |
新宿シネマミラノ |
シネ・リーブル池袋 |
銀座シネパトス |
カル |
11/4〜 |
上野スタームービー |
横浜オスカー |
千葉劇場 |
太白山脈 |
10/28〜 |
銀座シネ・ラ・セット |
スプリング・イン
ホームタウン |
11/11〜 |
春香伝 |
12月上旬 |
ソウル・ガーディアンズ
ー退魔録 |
11/4〜12/1 |
シブヤ・シネマ
ソサエティ |
KUMIHO/千年愛 |
11/4・10・11・17 |
18・24・25・12/1 |
八月のクリスマス |
11/4・10・11・17 |
クワイエット・ファミリー |
11/4・10・11・17 |
女校怪談 |
11/18・24・25・12/1 |
ディナーの後に |
11/18・24・25・12/1 |
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独創性と活力が人気
首都圏中心に配給へ
この秋、東京を中心とする劇場で、話題の新作を含む韓国映画12本が上映される。古典名作「春香伝」、「シュリ」で一躍有名になった韓石圭出演の猟奇殺人を題材にした「カル」やラブストーリーものなど、バラエティーに富む作品が目白押しだ。今年1月、日本での韓国映画の火付け役ともなった「シュリ」の上映以降、韓国映画に期待を寄せる声が高まっている。今、日本で韓国映画はどのように受け止められているのだろうか。映画配給会社、劇場関係者に聞いた。
配給会社のシネカノンは94年6月、林權澤監督の「風の丘を越えて―西便制」の日本公開後、「祝祭」や「シュリ」の大作、名作を手がけてきた。
今回は、パンソリによって全編が歌い繋がれるという手法を用いて映画化された同監督の「春香伝」と40年から50年までの解放前後の混乱期の歴史に翻弄された人々を描いた「太白山脈」、そして戦争の傷跡を子どもの視点から捉えた、イ・グァンモ監督のデビュー作「スプリング・イン・ホームタウン」を上映する。
シネカノンが韓国映画を手がけるようになったのは、「風の丘…」に代表されるように、作品的な魅力に惹かれ日本で紹介したいという考えからだ。
この時期、続出する韓国映画の上映について、シネカノン宣伝担当の呉徳周さんと青木かおりさんは、「シュリ」効果と開放政策、そしてアジア映画のブームを指摘する。
青木さんは「香港、台湾などに続く次の国を探している時に、韓国に目が向かった。今、60年代生まれの監督が次々に良い作品を出しているという状況が見事に重なった結果。今まで紹介されていなかった国にストックがある」と話す。
呉さんは「『8月のクリスマス』に代表されるような、日本では消失したかもしれないラブ・ストーリーなどの作品を隣の国で作っていたという意外性」に注目している。
韓国の映画業界について呉さんは「業界自体が新しい映画を作ることに積極的。それは日本以上だと思う。一昔前のドメステックな感じで読みとりにくいというイメージがはがれていき、普遍性の高い映画を作ろうとしている人が出てきている」と話す。
東京・渋谷区の劇場「シブヤ・シネマ・ソサエティ」では、初めての韓国映画特集として、新作を含む六作品をレイトショーとオールナイトで一挙上映する。
同劇場で行われている観客へのアンケート調査で、「韓国映画を観たいという要望がかなりある」と話すのは、同劇場マーケティング・ディレクターの松井聡さん。
松井さんは韓国の映画業界について「活気がある。それは映画の制作権、配給権、監督や俳優の権利が確立されてきて、制作側にとってきちんと仕事ができる環境が整ってきており、若手の監督が台頭している」と指摘する。また、韓国映画の魅力については技法、制作面での独創性を挙げている。ファンから埋もれた作品の上映を望む意見も出ているという。
「韓国映画は今後もしばらくは明るい。作品を選ぶことに事欠かないと思う。韓国の制作側が潤ってくれば次の作品につながる。それが相乗効果になると思う」と話す。
女性監督、イ・ジョンヒャン監督のデビュー作「美術館の隣の動物園」は、女性を主人公に据えたラブストーリー。主演に「8月のクリスマス」のシム・ウナを起用し、従来の貞淑な韓国女性のイメージから脱皮した、自立した女性をコミカルタッチで描き出している。
同作品で初めて韓国映画を手がける徳間書店東光徳間事業本部の田村祥子次長は「80年代後半、中国映画が注目されたが、市場経済になってきて低迷状態にある」と指摘。約6年前から香港、台湾映画を上映してきたが、その範囲をアジア全域に広げている段階だ。
田村次長は「韓国の若手監督が世界に通じる映画を作っている」状況を見据えたうえで、「今後も良質でものを考えられる韓国映画を扱っていきたい」と話している。
(2000.10.25 民団新聞)
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