| 「映画の全編に証言者の魂の叫びが 貫かれている」と語る前田憲二監督 (東京での試写会で) |
日本の植民地時代に強制連行や強制労働をさせられた同胞の恨(ハン)を描いた長篇記録映画「百萬人の身世打鈴」が、ようやく4年がかりで完成し、16日に東京で報道関係者を集めて試写会が開かれた。
225分(3時間45分)もの大作に心血を注いだ前田憲二監督は、「50時間以上のフィルムを短く編集するのは、身をきられる思いだった。聞き取りをしながらも、結果的に映画に登場しない人もいるが、彼らの魂の叫びが全編に貫かれている作品。太平洋戦争下の日本の恥部に日本人として向き合わなくして、21世紀の日韓、そしてアジアとの友好もない」ときっぱり語った。
作品の構成はプロローグ「植民地下の朝鮮と3・一戒厳令」、第一章「太平洋戦争光州遺族会」、第二章「生と死の狭間で…」、第三章「元・従軍慰安婦たち」、第四章「天皇と松代」、第五章「原爆被爆者たち」からなる。日本の歴史教科書が偏向に向かう中で、在日の慰安婦、宋神道さんが自らの人生を赤裸々に語りながら、人を狂気に駆り立てた戦争の非道さを死ぬまで糾弾する、と訴えるシーンは見る者の胸を刺す。
映画よりも先に発刊された同名の著書は、重いテーマにもかかわらずすでに3000部近く売れている。試写後の懇親会では、「右傾化する日本の世情の中で、歴史の真実に迫る姿勢に感動する」との声が続いた。
東京上映会は11月28〜30日(午後5時20分開場、6時上映)と12月12日(午後12時20開場、13時上映)の4回。開場は中野ZEROホール。前売りは1800円。当日は2000円。
前売りチケット申込と問い合わせは、企画・制作の映像ハヌルへ。電話03(5996)9426。
(2000.10.25 民団新聞)
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